第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター5群 ポストコロナ社会の看護への示唆~労働環境整備~

Wed. Nov 8, 2023 10:30 AM - 11:30 AM ポスター会場 (G1-G4)

座長:松嵜 美紀

[ポスターY-5-4] COVID‐19病棟に従事した看護師の就業継続意思に影響する職業コミットメント

鶴田 優, 真崎 涼子, 小杉 実香 (東京都立多摩総合医療センター)

Keywords:COVID-19、就業継続意志、職業コミットメント

【目的】COVID-19 病棟に従事した看護師の職業コミットメント(OCN)を明らかにする。【方法】対象者に研究の目的、参加の自由、プライバシー保護、学会発表予定を文書で説明し、同意を得た。データ収集期間はX 年2 月〜 3 月、対象はA 病院に勤務しCOVID-19 病棟に従事した看護師。無記名自記式質問紙調査票を対象看護師へ配布し回答者が特定されないよう回収。分析は SPSS statistics23 を使用して、日本語版OCS の各項目の得点と総合計得点を算出、COVID-19病棟で今後も(あるいは再度)働いてもよいと思うかに対する回答のはいといいえで2 群に分け、OCS の下位尺度合計点数についてt 検定を実施。回答者の属性を20 代、30 代以上の2 群に分け、今後も働いてもよいと思うかの回答でχ2検定とFisher 直接確立検定による分析を実施した。【結果】配布数104、回収数81、回収率77.8%、有効回答率88.9%。日本語版OCS 下位尺度の平均は情緒的尺度21.25 ± 3.806 点、功利的尺度19.62 ± 3.518 点、規範的尺度16.53 ± 7.895 点であった。COVID-19 病棟で今後も働いてもよいと考える群(A 群)と思わない群(B 群)ではすべての下位尺度においてそれぞれ有意差は無かった(p < 0.05)。年齢を20 代と30 代以上に分けCOVID-19 病棟で今後も働いてもよいかの回答でχ2 検定を行い、はいと回答したものは20 代で4/15(26.7%)、30 代以上で35/57(61.4%)、Fisher 直接法でP 値= 0.021 であり30 代以上の看護師ほどCOVID-19 病棟で今後も働いてもよいと思う傾向にあった。【考察】COVID-19 病棟で勤務した看護師について職業コミットメントを調査した結果、A 群とB 群の間でそれぞれの下位尺度の有意差はなく、看護師がCOVID-19 病棟で就業継続してもいいと思うかどうかは看護師の職業コミットメントとの関連性は検出されなかった。COVID-19 病棟に従事した看護師の年齢と今後も働いてもよいと思うかについて、年齢が高い方が、COVID-19 病棟で今後も働いてもよいと考える傾向がみられたことから、たとえ働く場の現状に不満を抱いていたとしても、これまでの人生経験や実務経験の中で、自分のなかで折り合いをつけ、就業継続の意欲を持っていたと考えられる。