[ポスターY-50-1] 勤務帯リーダーが困難さを感じる事柄とリーダーシップ行動
―ラダー別の比較検討―
Keywords:勤務帯リーダー、ラダー別、困難な業務、リーダーシップ行動自己評価
【目的】A病院の勤務帯リーダーが困難と感じる事柄とリーダーシップ行動に関する自己評価をラダー別に把握することを目的とする。【方法】2022年9月、勤務帯リーダーを担う102名を対象に、自記式留置式アンケートを実施した。内容は、基本属性(勤務病棟、性別、教育課程、臨床経験年数、配属勤務年数、ラダー)、困難さを感じる事柄(17選択肢、オリジナル作成)、“看護師の勤務帯リーダーシップ行動自己評価尺度”(北島ら開発、6因子25項目、2022年、以下、尺度と記す)で、ラダー3、4、5、マネジメントラダーの4群でクロス集計をした。対象には、調査の概要、協力の任意性、匿名実施等を説明する文書を配布し、同意下での回答を依頼した。本研究は倫理委員会の承認を得ている。【結果】ラダー3:4名、4:23名、5:12名、マネジメントラダー:5名の計54名から回収を得た(回収率52.9%)。困難さを感じる事柄の平均個数はラダー3:5.0±SD4.4、4:5.5±SD4.2、5:3.6±SD2.5、マネジメントラダー:5.4±SD3.4であった。4群共通で「経験年数の少ないメンバーが多い勤務で業務の安全を確保すること」34名(63.0%)が最多で、次は「自身が受け持ち患者に関わる時間を確保すること」30名(55.6%)であった。30.0%以上が困難と回答した選択肢の数がラダー3:7つ、4:10つ、5:5つ、マネジメントラダー:8つであった。尺度の全6因子についてラダー3・4の平均値が5やマネジメントラダーと比較して低かった。中でも「業務調整行動」「メンバーの看護実践力育成行動」のラダー差が大きかった。また、第4因子2[経験の浅いメンバーが行う治療や看護ケアのポイントについて意識的に確認する]は尺度開発文献掲載の平均値より0.5以上低かった。【考察】勤務帯リーダーが経験の浅いメンバーが行う治療や看護ケアのポイントを確認しながら、全メンバーの十分な監督をするための根本的な対策は増員により業務にゆとりを生むことであるが、実際には増員は難しい為、勤務帯リーダーが一人で業務を抱え込まないようにサブリーダーを置いてリーダー業務分散を検討したい。特に、勤務帯リーダーのラダーが3・4の時には、メンバーの看護実践力育成はサブリーダーが担当し、勤務帯リーダーが業務調整に専念できるようにする必要があると考えた。