第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター50群 継続教育③

Thu. Nov 9, 2023 10:30 AM - 11:30 AM ポスター会場 (G1-G4)

座長:髙橋 久美

[ポスターY-50-2] 急変場面のリーダーシップ向上に向けた集合研修の効果

伊藤 美幸1, 辻 展行1, 下川 雪江1, 神野 亜紀子1, 松田 琴美1, 森河 裕子2 (1.金沢医科大学病院, 2.金沢医科大学看護学部)

Keywords:シミュレーション学習、リーダー、実践力

【目的】A病院でキャリアラダーレベル3受講生を対象に、「急変時にチームリーダーの役割を意識しながらスタッフへの指示を行い初期対応できること」を目標にシミュレーション研修を実施。研修後、経時的に自己・他者評価を行い、実践力向上につながったかを明らかにし、今後の研修の基礎資料とする。【方法】量的介入研究。対象は研修受講者26名、各部署主任看護師15名に対し、実践評価表を用いて全14項目(チームダイナミクス8項目、体系的アプローチ5項目、報告1項目)についてリッカート4段階評価で自己・他者評価を実施した。対象者には、説明文書を用いて説明し、自由意志による同意を文書により受け取った。自己評価は受講生が研修直後、1か月後、2か月後、他者評価は各部署担当主任が1か月後、2か月後に実施。調査対象者には文書で説明し、文書で「よくできた」、「できた」と回答したものを「できた」、「あまりできなかった」、「できなかった」としたものを「できなかった」の2つに区分した。「できた」ものの割合を研修直後と1か月後、2か月後で、他者評価は1か月後と2か月後で比較した(マクネマー検定有意水準P<0.05)。自由記述は内容をカテゴリー化し分析した。【結果】実践評価表の自己・他者評価結果は、1か月後に比べて2か月後は全項目で評価が上昇していた。統計的に有意に増加したのは、自己評価で『メンバーに明確なメッセージで伝えている』、『チームメンバーが適切に役割を果たしていることを確認する』、であった。他者評価では、『互いに尊重しあっている』が1か月後最も評価が高かった。統計的に有意に増加したのは、『メンバーに明確なメッセージで伝えている』、『チームメンバーが適切に役割を果たしていることを確認する』、『必要に応じて建設的に介入している』であった。受講生の実践後の気づきからは、『経験の不足』、『アセスメント力不足』、『ノンテクニカルスキルの必要性』、『リーダーとしての役割』が抽出された。【考察】自己・他者評価共にリーダーとしての役割意識を持ち、実践力が向上していた。シミュレーションという場で実際に失敗と経験を繰り返したことで学習が身に付き、継続してチームリーダーの役割を意識できたと言える。経験学習を積み重ねることで、研修の学びが行動レベルに繋り、実践の場で常にリーダーとしての役割を意識し行動できたことが示唆された。