第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター6群 ポストコロナ社会の看護への示唆~健康危機管理~

Wed. Nov 8, 2023 1:15 PM - 2:15 PM ポスター会場 (G1-G4)

座長:金子 恵子

[ポスターY-6-2] 新興感染症発生時の看護提供体制の構築に関する研究(第2報)

―政令・中核市における受援調整に焦点を当てて―

山下 正1, 岩本 里織1, 合田 加代子2, 成田 康子3, 廣金 和枝4, 島村 珠枝5, 石井 久仁子6, 聲高 英代7, 道廣 陽介8, 山下 正1, 山本 暁生9 (1.神戸市看護大学看護学部看護学科, 2.甲南女子大学看護リハビリテーション学部看護学科, 3.兵庫県看護協会, 4.兵庫医科大学看護学部看護学科, 5.兵庫県立大学看護学部, 6.兵庫大学看護学部看護学科, 7.大阪歯科大学看護学部開設準備室, 8.姫路大学看護学部看護学科, 9.神戸大学大学院保健学研究科)

Keywords:新型コロナウイルス感染症、政令市・中核市、保健所、保健師管理者、受援調整

【目的】COVID-19 禍において、保健所の保健師は非常に多様な業務を担い、自治体内外からの受援を要した。本研究の目的は、COVID-19 パンデミックによる新興感染症発生時の保健師管理者の受援調整について明らかにすることであり、本報は政令市・中核市の保健師管理者の受援調整について明らかにする。【方法】研究参加者はA県内の政令市・中核市保健所5市の調査時点での統括保健師である。調査方法は、半構成質問紙によるインタビューである。調査内容は、第1波から8波までの感染状況や保健師管理者の実施内容等である。分析方法は、研究参加者の語りから受援(内部受援・外部受援)に関する語りを抽出し、カテゴリ化した。倫理的配慮は、対象者に研究目的及び方法、自由意思による参加、個人情報保護、結果の公表等を口頭及び文書で説明し、研究協力について文書で同意を得た。【結果】調査参加者は6名であった。第1・2 波では未知のウイルス対応により《感染症対応部署保健師数が少なく対応困難なため、所内他課等から保健師応援体制を構築》《患者対応以外のコロナ対応を保健師から所内事務職の対応に拡大》、第3波では《保健師の業務の専門化により、広く自治体内からの事務職の応援対応》、第4波では感染者の増加及び自宅療養者の増加により《保健師及び事務職の自治体内応援困難による外部応援保健師および委託業者への依頼》《委託・応援保健師の業務内容の検討・マニュアル作成などの体制整備》を行っていた、第5波では《保健師の専門業務の段階化による自治体内外事務職の応援依頼》していた。【考察】政令市・中核市においては、保健所機能と保健センター機能を有し、比較的保健師数が多く、多様な機関に保健師が活動している特徴がある。そのため、COVID-19 パンデミック発生後に、まずは保健所内の保健師や事務職の支援を求め、さらに自治体内(本庁や保健センター)からの支援を求めていた。さらなる感染拡大による患者数の増加により、自治体外の保健師の確保および民間への業務委託や波遣等の方法を行っていた。その際に、保健師の業務負担を考慮しつつも自治体の保健師の責任や専門性を判断していた。