第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

講演情報

特別企画

特別企画1-2 新興感染症の発生に備え看護提供体制を考える―日本看護協会研究助成事業 調査研究報告―

2023年11月9日(木) 10:30 〜 11:10 第3会場 (G6)

座長:中野 夕香里

講師:林 智世・加藤 典子

[SK1-2-1] 新興感染症発生時における感染管理認定看護師の役割および次のパンデミックに向けた看護専門職の育成に関する研究

林 智世1, 新居 晶恵2, 川島 好子3, 大川 明子3, 林 辰弥3, 原 康之4, 宇野 智行4, 中井 芳5, 今井 可奈子6, 谷 眞澄6, 田辺 正樹2 (1.三重大学医学部附属病院副看護部長, 2.三重大学医学部附属病院, 3.三重県立看護大学, 4.三重県医療保健部, 5.三重県津保健所, 6.三重県看護協会)

【抄録】
【目的】COVID-19 クラスタ―対応におけるCNIC(Certified Nurse in Infection Control、以下CNIC)の役割評価を行い、パンデミック対応にあたるCNIC の育成について検討すること。
【方法】2022 年8 月までに三重県が公表した275 件のクラスター事例におけるCNIC の派遣状況の分析、受援側67 施設及び県内CNIC 46 名を対象とした質問紙調査を行った後、派遣されたCNIC 9 名のインタビューを実施した。上記結果を踏まえ、認定看護師教育課程における専門職育成方法を検討した。
【結果】275 件のクラスター事例のうち、クラスター対応チームが派遣されたのは59 件(高齢者施設64.4%、医療機関33.8%)、派遣されたCNIC は19 名で、延べ100 日間の支援を行った。受援側からは「職員の不安解消につながった」、「職員の感染管理に対する知識が向上した」などの回答、CNIC のインタビューから「即座な状況判断」、「現場とCNIC の相互的な対話」などのカテゴリーが挙げられた。
【考察】クラスター現場においては、感染対策の専門家としての「知識」の提供に加え、状況に応じた柔軟な対応、相互的な対話など調整役としての役割が大きいことがわかった。本研究結果を認定看護師教育課程における演習等を通じ、CNIC 育成に生かしていく。