第61回日本油化学会年会

年会実行委員長挨拶

土佐で同志と語り合おう


  
 

年会実行委員長 西脇 永敏

 

高知工科大学 教授






 

 4年振りに対面で年会を開催します。同窓会気分で旧交を温め合うのも良し、新しい出会いを見つけるのも良し。そして発表を聴いた人たちの反応を直に受け止めて研究のモティベーションに繋げて下さい。その場の雰囲気を味わい、楽しみながら学会を盛り上げていきましょう!
 
対面開催に期待すること
 この3年間、自粛生活が続いていましたが、必ずしも悪いことばかりではないと思います。それまでは、会議などをオンラインでするべきという提案が幾度もされていたにも拘らず、なかなか進みませんでした。しかし、コロナ禍ではオンライン化せざるを得ず、今やビジネス会ではオンライン会議は当たり前の風景となりました。学会もオンラインでできるようになり、遠くまで足を運ばなくても講演を聴いたり議論ができたりするようになったのは大きな変化です。
 では、「今後も学会はオンラインで良い」のかといいますと、私はそうは思いません。最新の学術情報を得るだけなら、オンラインで視聴するだけで十分な目的を達することができるでしょうが、それは学会の果たす役割の1つに過ぎません。学会は若い人の教育の場でもあります。多くの人の目の前で緊張しながら話をするのは大事であり、学生時代に是非とも経験してもらいたいと思います。また、対面で発表しますと、それを聴いた人たちの反応を場の雰囲気で直に確かめることができます。他大学の先生や企業の方から「その仕事は面白いね」などと声を掛けられたりしますと、学生は「次も頑張ろう」という気持ちになるものです。

新企画
 「禍転じて福となす」という言葉があります。この3年間、対面開催がなかったのは、学会員にとって大きな不利益になったことは言うまでもありません。しかし、このブランクを逆手に取れば、学会を良い方向に向かわせるチャンスにもなります。3年も間が空くと、これまでのやり方を一旦リセットして、新たに組み立てることが可能になります。
 今回は一般講演と分けて企画する特別講演の中に、WCOS 2022で好評を得ましたた ‘Select Lectures’ を導入します。本企画は、 研究発表を公募して「斬新な研究成果」を油化学会が ‘Select’ するものです。WCOS 2022では、「油脂にそんな成分や機能があったんですね」「こんな製品価値や新しい生活の提案につながるのではないですか」・・・など、活発な討論がなされました。この年会では募集分野にcleaning、science on nutrition, health function and foodsを加え、選考を各専門部会の皆様にお願いして、新たなスタートを切ります。
 
〈公募分野〉
1)Oleo materials and nanotechnologies
2)Surfactant, detergent, cleaning and interface science
3)Science on lipids, fats and oils, nutrition, health function and foods
 
〈特 典〉
 選ばれた皆さんには,Award of the JOCS’s Selected Lectureと副賞30,000 円を贈呈するとともに、本年会に無料招待して受賞講演をして頂きます。さらにJournal of Oleo Science誌への無料掲載権を贈呈します。年会websiteから奮ってご応募下さい。
 
高知ガイド
 会場となる高知工科大学の永国寺キャンパスは、高知城のすぐ傍にあり、高知市の中心に位置していますので、宿泊や食事には不便をおかけすることはありません。魚、肉、野菜はどれも美味しく、しかも安価です。鰹の塩タタキ、清水鯖、ウツボの唐揚げ、鯨カツ、青さのりの天ぷらなどなど。何度も足を運んで順次攻略することをお勧めします。また、高知は酒処としても有名で、20近くの酒造メーカーがあり、全国区のお酒だけでなく、美丈夫、酔鯨、久礼などなど多くの日本酒だけでなく、ダバダ火振のような栗焼酎もあります。高知に来られる折角の機会ですので、学会後の週末を利用して、レンタカーで足摺岬や室戸岬、四国カルスト、中津渓谷、にこ淵などに行かれてはいかがでしょうか。都会では決して味わうことができない大自然を満喫できることを保証します。