[ON-3-1] 口述発表:地域 3短期集中リハビリテーションの対象となる高齢者選定のチェックリストの開発
【はじめに】通所型・訪問型サービスCは日常生活活動(以下,ADL)や手段的日常生活動作(以下,IADL)になんらかの困難さのある要支援者,ならびに基本チェックリストを受けたサービス非該当者を対象とした,介護予防・生活支援サービス事業の一つである.このサービス(以下,短期集中リハビリテーション)は,短期間で目標を達成することが報告がされており生活行為などに支援が必要な高齢者に導入することが効果的と考えられている.現在,短期集中リハビリテーションの対象者の選定方法に関しての報告は見当たらないが,野村総合研究所は対象者の抽出の難しさを指摘しており,対象者の選定は課題となっている.石橋ら(2018)によると訪問型サービスC の利用者の特徴は,困難なIADLが出現し始めた点にあるとしている.また,高齢者は困難なIADLの出現に先行し社会交流や知的能動性といった生活機能の低下が生じやすいとされており,対象者の抽出には生活行為に加え生活機能に着目した選抜方法を検討する必要があると考えた
【目的】本研究は,短期集中リハビリテーションの対象となる高齢者選定のチェックリストの開発を目的に,短期間のリハビリテーションで生活行為や生活機能の改善が期待される高齢者の特徴を構成概念として抽出し,その内容的妥当性の検証を行うことである.
【方法と結果】本研究は,尺度開発の国際基準であるConsensus-based Standards for selection of health Measurement Instrument(以下,COSMIN)に準拠し2段階に分けて実施した.なお,本研究は本学の研究安全倫理委員会の承認を得て実施した.研究1では,質問紙の質問項目の作成を目的としてフォーカスグループインタビュー(Focus Group Interview,以下,FGI)を実施した.対象者は介護予防事業の経験がある介護支援専門員および医療専門職種に設定した.対象となる医療専門職種は介護予防事業の実践経験があること,臨床経験は8年目以上であることとした.対象者の募集人数は,COSMINの基準に基づき7名〜10名程度とした.高齢者の生活機能を評価する尺度として,老研式活動能力指標が使用されているため,生活機能の概念を参考に構成概念を検討した.その操作的定義は,①心身機能・ADL領域「心身機能やADLに関する結果期待」②探索的領域「新しい生活様式を探索すること」③社会交流領域「生活における社会的交流」④判断領域:「自分自身や生活について判断すること」とした.作業療法士6名,介護支援専門員2名が参加したFGIで得られたデータを分析した結果,4カテゴリー31項目を作成し,質問項目を考案した.研究2では,研究1で作成した質問項目の内容的妥当性を検証することを目的に,Delphi法に基づくアンケート調査を行った.アンケート調査は事前に設定した同意の基準を満たすまで項目の追加・修正を繰り返し,検討項目がなくなるまで実施した.同意の基準は,5段階のLikert Scaleで①中央値が4.0以上であること,②四分位範囲が1.0以下であること,③4もしくは5と回答した単純集計が全体の80%以上であることの3つを全て満たすこととした.その結果,3次調査まで実施し,各項目の追加,修正,削除を経て4領域21項目の内容的妥当性が確認された.
【考察】本質問紙は,尺度開発の国際基準であるCOSMINで推奨されている開発要件を満たしており,内容的妥当性を高められたと考えられる.また,質問紙の各項目は短期集中リハビリテーションと関連性のある項目となっており,短期間のリハビリテーションで生活行為や生活機能の改善が期待される高齢者の抽出が効果的に行える質問紙となったと考えられる.
【目的】本研究は,短期集中リハビリテーションの対象となる高齢者選定のチェックリストの開発を目的に,短期間のリハビリテーションで生活行為や生活機能の改善が期待される高齢者の特徴を構成概念として抽出し,その内容的妥当性の検証を行うことである.
【方法と結果】本研究は,尺度開発の国際基準であるConsensus-based Standards for selection of health Measurement Instrument(以下,COSMIN)に準拠し2段階に分けて実施した.なお,本研究は本学の研究安全倫理委員会の承認を得て実施した.研究1では,質問紙の質問項目の作成を目的としてフォーカスグループインタビュー(Focus Group Interview,以下,FGI)を実施した.対象者は介護予防事業の経験がある介護支援専門員および医療専門職種に設定した.対象となる医療専門職種は介護予防事業の実践経験があること,臨床経験は8年目以上であることとした.対象者の募集人数は,COSMINの基準に基づき7名〜10名程度とした.高齢者の生活機能を評価する尺度として,老研式活動能力指標が使用されているため,生活機能の概念を参考に構成概念を検討した.その操作的定義は,①心身機能・ADL領域「心身機能やADLに関する結果期待」②探索的領域「新しい生活様式を探索すること」③社会交流領域「生活における社会的交流」④判断領域:「自分自身や生活について判断すること」とした.作業療法士6名,介護支援専門員2名が参加したFGIで得られたデータを分析した結果,4カテゴリー31項目を作成し,質問項目を考案した.研究2では,研究1で作成した質問項目の内容的妥当性を検証することを目的に,Delphi法に基づくアンケート調査を行った.アンケート調査は事前に設定した同意の基準を満たすまで項目の追加・修正を繰り返し,検討項目がなくなるまで実施した.同意の基準は,5段階のLikert Scaleで①中央値が4.0以上であること,②四分位範囲が1.0以下であること,③4もしくは5と回答した単純集計が全体の80%以上であることの3つを全て満たすこととした.その結果,3次調査まで実施し,各項目の追加,修正,削除を経て4領域21項目の内容的妥当性が確認された.
【考察】本質問紙は,尺度開発の国際基準であるCOSMINで推奨されている開発要件を満たしており,内容的妥当性を高められたと考えられる.また,質問紙の各項目は短期集中リハビリテーションと関連性のある項目となっており,短期間のリハビリテーションで生活行為や生活機能の改善が期待される高齢者の抽出が効果的に行える質問紙となったと考えられる.