[PK-7-1] ポスター:認知障害(高次脳機能障害を含む) 7認知機能と口腔機能の関係性
Revised Oral Assessment Guide口腔観察ツールを用いた検討
序論:2016年の国民生活基礎調査から,要介護状態となる原因疾患の第一位が脳血管疾患から認知症へと更新された. 認知症は診療現場で誰もが関わる可能性が高い病気の1つであり,現時点における認知症の治療薬は基本的にアルツハイマー病に対する対症療法薬に限られ,根治治療は開発されていない.したがって,認知症患者への対応ならびに認知症予防は,社会的に極めて重大な課題である.また,認知機能と口腔機能の関係性は重要な関心対象であり,口腔機能低下は認知機能低下に影響するとも言われている.
目的:認知機能と口腔機能の関係性は重要な関心対象であり,口腔機能低下は認知機能低下に影響するとも言われている.しかし,口腔衛生と認知機能の関係性に着目した臨床研究は少ない.本研究では, 口腔衛生と認知機能の関係性を後方視的に分析し,リハビリテーションの一助とすることを目的とする.
対象:2016年4月1日から2020年3月31日の期間に当院回復期リハビリテーション病棟に入退院した患者でRevised Oral assessment Guide口腔観察ツール(以下ROAG)を実施した208名を対象とした.なお,データ欠損や転院した患者は除外した.
方法:研究対象者を「認知症高齢者の日常生活自立度」判定基準にて2群に分類.
A群:ⅡからMに該当した患者. B群:正常~Ⅰに該当した患者.とした.認知機能別(A群とB群)のROAG点数の比較をWelch's t-testにて分析.認知機能別(A群とB群)のROAG点数との相関(初期評価と最終評価の値を含む)をSpeamanの順位相関係数を用いて分析を行った.なお,当法人の倫理委員会の承認を得ている.(当法人ホームページにて研究情報の開示と対象者が拒否できる機会を保障した)
結果(実践の意義):
認知機能別のROAG点数の比較では,認知機能重度群において有意に高値を示した(*P<0.0001),認知機能別のROAG点数との相関では,A群:n=84,rs=0.25,(*p<0.05),B群n=335,rs=0.32,(*p<0.01)という結果であった.
考察(結論):「認知症高齢者の日常生活自立度」判定基準にてA群:ⅡからMに該当した患者とB群:正常~Ⅰに該当した患者の2群に分けて比較検討を行った.
口腔衛生と認知機能においては認知機能別でみると有意差が認められ認知機能低下群は口腔衛生が不良であった.
相関では,認知機能との直接的な結びつきは低かったが,脳血管障害が5割を占めており,運動器等の疾患を増やしての検討も必要と考える.
上記を考慮すると,認知機能と口腔衛生は僅かな関与は認められるが,大きく寄与することは考えにくいという結論に至った.
目的:認知機能と口腔機能の関係性は重要な関心対象であり,口腔機能低下は認知機能低下に影響するとも言われている.しかし,口腔衛生と認知機能の関係性に着目した臨床研究は少ない.本研究では, 口腔衛生と認知機能の関係性を後方視的に分析し,リハビリテーションの一助とすることを目的とする.
対象:2016年4月1日から2020年3月31日の期間に当院回復期リハビリテーション病棟に入退院した患者でRevised Oral assessment Guide口腔観察ツール(以下ROAG)を実施した208名を対象とした.なお,データ欠損や転院した患者は除外した.
方法:研究対象者を「認知症高齢者の日常生活自立度」判定基準にて2群に分類.
A群:ⅡからMに該当した患者. B群:正常~Ⅰに該当した患者.とした.認知機能別(A群とB群)のROAG点数の比較をWelch's t-testにて分析.認知機能別(A群とB群)のROAG点数との相関(初期評価と最終評価の値を含む)をSpeamanの順位相関係数を用いて分析を行った.なお,当法人の倫理委員会の承認を得ている.(当法人ホームページにて研究情報の開示と対象者が拒否できる機会を保障した)
結果(実践の意義):
認知機能別のROAG点数の比較では,認知機能重度群において有意に高値を示した(*P<0.0001),認知機能別のROAG点数との相関では,A群:n=84,rs=0.25,(*p<0.05),B群n=335,rs=0.32,(*p<0.01)という結果であった.
考察(結論):「認知症高齢者の日常生活自立度」判定基準にてA群:ⅡからMに該当した患者とB群:正常~Ⅰに該当した患者の2群に分けて比較検討を行った.
口腔衛生と認知機能においては認知機能別でみると有意差が認められ認知機能低下群は口腔衛生が不良であった.
相関では,認知機能との直接的な結びつきは低かったが,脳血管障害が5割を占めており,運動器等の疾患を増やしての検討も必要と考える.
上記を考慮すると,認知機能と口腔衛生は僅かな関与は認められるが,大きく寄与することは考えにくいという結論に至った.