[PL-2-4] ポスター:援助機器 2日常生活における笑いのアプリケーション開発
【はじめに】平成28年(2016)の高齢社会白書によると,単独世帯と夫婦のみの世帯は,65歳以上のものがいる世帯の約6割を占める.家族や人との交流の減少に伴い会話や感情表出の機会が減少すると,ストレスが蓄積し健康に悪影響を及ぼす可能性がある.そこで,無表情になりがちな生活を送る人々のためのゲームアプリケーション(以下,アプリ)「Smile Master」を開発したので報告する.
【対象】対象は,60歳から85歳,男性10名,女性20名である.
【方法】
1) 「Smile Master」の実施 著者らがアプリの説明後,参加者全員がゲームアプリ「Smile Master」を体験した.アプリの使用時間は2分程度である.
2)調査方法 実施終了後にアンケートを配布し5つの質問に対して5段階の回答(①強く思う,②思う,③どちらでもない,④思わない,⑤全く思わない)と「実施後の気持ち」について自由記述のアンケートを行った.
3) Smile Masterの動作概要
1.ゲーム利用中の参加者の顔の動きをiPadのTtueDepthカメラで撮影し,その動画情報を「ARKit FaceTracking」によって1220個の頂点(3次元座標)に分割する.リアルタイムに,特定部位の動きや大きさを測定し,数値として抽出する.
2.iPadの画面に1の動画を表示し,真似をしてもらう顔の表情をアニメーションで表示する.
3.参加者がアニメーションと同じ表情を作った時,表情値から,部位の動きを数値として抽出し点数化.顔画像は約20枚表示され,1枚終了するごとに点数が加算される.
4)倫理的配慮 本研究の内容と個人情報の取り扱いについては,大阪電気通信大学の承認を得て実施した.
【結果】 回答者30名のアンケートを対象とした.「実施後の気持ち」のアンケートは,記載された15名を対象とした.
a)質問1 Smile Masterは,楽しかったですか? ①6名 ②20名 ③4名 ④⑤は0名 b)質問2 Smile Masterは,疲れましたか?①0名 ②4名 ③5名 ④17名 ⑤4名 c) 質問3 Smile Masterで顔の運動ができましたか?①4名 ②25名 ③1名 ④⑤は0名 d) 質問4 Smile Masterを今後も続けていきたいですか? ①2名 ②19名 ③9名 ④⑤は0名 e) 質問5 Smile Masterを使い続けることで,心や体の健康に効果があると思いますか?①5名 ②22名 ③2名 ④1名 ⑤0名 f)自由記述に関して 「顔の表情の大切さを思い運動して,笑顔でいたいです」などであった.
【考察】 回答者の8割以上が楽しかったという回答をしていた.自由記述においても15名全員から肯定的な回答が得られたことから,高齢者が「Smile Master」興味を持たれ,アプリ導入の有用性が示唆されたと考える.老年期は,筋力や視力・聴力といった身体機能の低下だけでなく,退職などによる社会的役割の喪失,家族や友人との離死別など,精神心理面の低下が起こりやすいライフステージといえる.そのような背景は,高齢者が肯定的な感情が低下し笑う機会の減少に繋がる.Sakuradaらは,日常生活の中で笑う頻度が高いほど全死亡率や心血管疾患の発症率が低い可能性があり,そのため笑う機会を持つことが鍵となると述べている.人とのコミュニケーションや健康寿命を保っていくために笑いや笑顔などの表情表出は重要であり,日常生活で表情の表出の機会が乏しい高齢者にとって,「Smile Master」がその一助となることが期待される.
【対象】対象は,60歳から85歳,男性10名,女性20名である.
【方法】
1) 「Smile Master」の実施 著者らがアプリの説明後,参加者全員がゲームアプリ「Smile Master」を体験した.アプリの使用時間は2分程度である.
2)調査方法 実施終了後にアンケートを配布し5つの質問に対して5段階の回答(①強く思う,②思う,③どちらでもない,④思わない,⑤全く思わない)と「実施後の気持ち」について自由記述のアンケートを行った.
3) Smile Masterの動作概要
1.ゲーム利用中の参加者の顔の動きをiPadのTtueDepthカメラで撮影し,その動画情報を「ARKit FaceTracking」によって1220個の頂点(3次元座標)に分割する.リアルタイムに,特定部位の動きや大きさを測定し,数値として抽出する.
2.iPadの画面に1の動画を表示し,真似をしてもらう顔の表情をアニメーションで表示する.
3.参加者がアニメーションと同じ表情を作った時,表情値から,部位の動きを数値として抽出し点数化.顔画像は約20枚表示され,1枚終了するごとに点数が加算される.
4)倫理的配慮 本研究の内容と個人情報の取り扱いについては,大阪電気通信大学の承認を得て実施した.
【結果】 回答者30名のアンケートを対象とした.「実施後の気持ち」のアンケートは,記載された15名を対象とした.
a)質問1 Smile Masterは,楽しかったですか? ①6名 ②20名 ③4名 ④⑤は0名 b)質問2 Smile Masterは,疲れましたか?①0名 ②4名 ③5名 ④17名 ⑤4名 c) 質問3 Smile Masterで顔の運動ができましたか?①4名 ②25名 ③1名 ④⑤は0名 d) 質問4 Smile Masterを今後も続けていきたいですか? ①2名 ②19名 ③9名 ④⑤は0名 e) 質問5 Smile Masterを使い続けることで,心や体の健康に効果があると思いますか?①5名 ②22名 ③2名 ④1名 ⑤0名 f)自由記述に関して 「顔の表情の大切さを思い運動して,笑顔でいたいです」などであった.
【考察】 回答者の8割以上が楽しかったという回答をしていた.自由記述においても15名全員から肯定的な回答が得られたことから,高齢者が「Smile Master」興味を持たれ,アプリ導入の有用性が示唆されたと考える.老年期は,筋力や視力・聴力といった身体機能の低下だけでなく,退職などによる社会的役割の喪失,家族や友人との離死別など,精神心理面の低下が起こりやすいライフステージといえる.そのような背景は,高齢者が肯定的な感情が低下し笑う機会の減少に繋がる.Sakuradaらは,日常生活の中で笑う頻度が高いほど全死亡率や心血管疾患の発症率が低い可能性があり,そのため笑う機会を持つことが鍵となると述べている.人とのコミュニケーションや健康寿命を保っていくために笑いや笑顔などの表情表出は重要であり,日常生活で表情の表出の機会が乏しい高齢者にとって,「Smile Master」がその一助となることが期待される.