[PR-2-4] ポスター:教育 2作業療法学会登録演題から読み取る日本の作業療法教育の焦点
テキストマイニング
【序論】2019年にPTOT養成校指定規則改定によるカリキュラムの大幅な見直しがなされ,2016年にはWFOTが示す作業療法士教育最低基準の改定に伴い作業療法教育ガイドライン2019が示された.また2018年にはOT協会の定める定義が改定され,目指すべきOT像が明確に示された.加えて文部科学省による大学教育改革が推し進められ高等教育の質の向上が図られている.以上のような背景から作業療法教育は時代の大きな転換点に置かれていると言える.さらに厚生労働省が示す統計からPTOTが供給過多にある傾向が示されていることからもリハビリの質の向上がますます求められ,根拠に基づく実践(EBP)が医療界でのスタンダードになっていることから作業療法の質の向上が求められている現状がある.このような背景の中で,作業療法教育は社会に貢献する専門家を育てるために適切な舵取りが求められることになる.本研究の目的は現在の作業療法教育は何に焦点を当てているのかを探り,上記に触れた社会的制度的背景と照らし合わせながら作業療法教育のあり方について考察をしていくことを目的とする.
【方法】第51回~55回のOT学会登録演題のうち,キーワード「作業療法教育」としてヒットした抄録(60本)を対象データとして計量テキスト分析KHCorderを用いて分析した.まず不要と思われる
「方法」や「結果」,「著者名」などを分析対象から除外した.次に解析データと原文を比較しながら語の取捨選択,同意義語の統一や,頻出語一覧表や分析結果を見比べながら最低頻出語の調整を加えた.共起ネットワーク,階層的クラスター分析,対応分析,自己組織化マップを使いデータの解釈をし,最終的に共起ネットワークを採用した.サブグラフに対してはラベリングを行った.
【結果】総抽出語は30765語で,評価(212)学習(176)実習(156)が出現頻度上位であった.共起ネットワークからは7つのサブグラフが抽出され以下のように解釈することが出来た.実習と学習に関することが最も多く述べられており「実習ではルーブリック評価での検証や,指導者や指導の質に注目が集まっている.」「学習に関しては様々な効果的な方法が検討され,その必要性について述べられている.」その他にはTBL(問題解決型学習)や国家試験対策に焦点が当たっていることや,入学支援プログラムに焦点が当たっていることがわかった.
【考察】直近5年の演題からは近年の作業療法教育は実習と教育法に焦点があたっていることがわかった.中でも臨床実習が最も注目を集めており,OT協会が推し進めているCCS方式実習の導入,臨床実習指導者講習との強い関連性が読み取れた.学習に注目が集まっている背景には,作業療法学生・作業療法全体の質の向上が業界の課題であることに加え,大学改革における教育の質の向上が叫ばれていることから,課題解決型学習や自己調整学習などのアクティブラーニングの必要性と重要性に注目が集まっていると思われた.以上のことから作業療法士協会や文部科学省からの要請を受けた教育実践がなされ,学会の発表演題に反映されていると考えられた.一方でWFOTが示す教育指定基準や作業療法教育ガイドラインでは「作業に関する教育」の推進が示されているが,関連するワードとしては「MTDLP」「MOHO」がわずかに出てくる程度であり,「カナダ作業遂行モデル」や「作業科学」やその他の作業療法理論・モデルに関するワードは見られず,「作業に関する教育」が注目されているとは言えないことがわかった.OTの専門性と質を保証していくためには必要不可欠な教育テーマであり,今後多くの実践がなされ演題として発表されていくことが望まれる.
【方法】第51回~55回のOT学会登録演題のうち,キーワード「作業療法教育」としてヒットした抄録(60本)を対象データとして計量テキスト分析KHCorderを用いて分析した.まず不要と思われる
「方法」や「結果」,「著者名」などを分析対象から除外した.次に解析データと原文を比較しながら語の取捨選択,同意義語の統一や,頻出語一覧表や分析結果を見比べながら最低頻出語の調整を加えた.共起ネットワーク,階層的クラスター分析,対応分析,自己組織化マップを使いデータの解釈をし,最終的に共起ネットワークを採用した.サブグラフに対してはラベリングを行った.
【結果】総抽出語は30765語で,評価(212)学習(176)実習(156)が出現頻度上位であった.共起ネットワークからは7つのサブグラフが抽出され以下のように解釈することが出来た.実習と学習に関することが最も多く述べられており「実習ではルーブリック評価での検証や,指導者や指導の質に注目が集まっている.」「学習に関しては様々な効果的な方法が検討され,その必要性について述べられている.」その他にはTBL(問題解決型学習)や国家試験対策に焦点が当たっていることや,入学支援プログラムに焦点が当たっていることがわかった.
【考察】直近5年の演題からは近年の作業療法教育は実習と教育法に焦点があたっていることがわかった.中でも臨床実習が最も注目を集めており,OT協会が推し進めているCCS方式実習の導入,臨床実習指導者講習との強い関連性が読み取れた.学習に注目が集まっている背景には,作業療法学生・作業療法全体の質の向上が業界の課題であることに加え,大学改革における教育の質の向上が叫ばれていることから,課題解決型学習や自己調整学習などのアクティブラーニングの必要性と重要性に注目が集まっていると思われた.以上のことから作業療法士協会や文部科学省からの要請を受けた教育実践がなされ,学会の発表演題に反映されていると考えられた.一方でWFOTが示す教育指定基準や作業療法教育ガイドラインでは「作業に関する教育」の推進が示されているが,関連するワードとしては「MTDLP」「MOHO」がわずかに出てくる程度であり,「カナダ作業遂行モデル」や「作業科学」やその他の作業療法理論・モデルに関するワードは見られず,「作業に関する教育」が注目されているとは言えないことがわかった.OTの専門性と質を保証していくためには必要不可欠な教育テーマであり,今後多くの実践がなされ演題として発表されていくことが望まれる.