[OR-1-2] OT専門学校と高等学校のキャリア教育連携プログラムの開発に関する実証
はじめに
進路決定の段階で職種に関する理解は必要不可欠だが,リハビリテーション専門職に関して高校生が接する機会は少ない.職業理解を深めることは入学後の目標設定や学習成果,成長につながると思われる.高等学校福祉科などと連携して高等学校3年間と専門学校作業療法学科3年間,合計6年間の一貫型教育プログラムの開発と実証を令和4年から開始した.さらに医療福祉への進学を希望する生徒に当該分野の基礎的な職業教育を実施し,専門学校進学後は専門性の向上や国家試験取得のフォローを継続的に支援することを目的とした.なお,本事業は専修学校により文部科学省の地域産業中核的人材養成事業として実施した.
方法
1年目の令和3年度は事業実施体制の構築,職業教育に関する調査,カリキュラム設計や教材開発などの一貫型教育プログラム開発,実証講座の実施準備,事業成果の公開,2年目の令和4年度は実施委員会・分科会の開催,一貫型プログラム開発,実証講座の実施,事業成果の公開を実施した.開発する教育プログラムの検証として学習成果,受講生,指導者の視点から実施結果の分析・評価を試みた.沖縄県立高校のA高等学校総合学科1年生に8講座で計12コマ,B高等学校福祉課1年生に11講座で計20コマ,C高等学校福祉科1〜3年生(2•3年生はプレ実施)に4講座で計6コマ,D高等学校総合学科1年生に5講座で計6コマ,E高等学校障害スポーツ学科3年生(プレプレ実証)に1講座で計2コマを実施した.
結果
A高等学校のアンケート結果より,授業の内容に興味が持てたかは,興味が持てた60%,少し興味が持てた33%,あまり興味が持てなかった5%,興味が持てなかった1%,どちらとも言えない2%であった.将来の進路を考えるのに参考になったと思うかは,そう思う58%,少しそう思う36%,あまりそう思わない3%,そう思わない3%,どちらとも言えない1%であった.働くことへの興味・関心は高まったかは,高まった62%,少し高まった32%,あまり高まらなかった45,高まらなかった1%,どちらとも言えない1%であった.内容を詳しく知りたい・調べたいと思ったかは,そう思う46%,少しそう思う45%,あまりそう思わない7%,そう思わない2%,どちらとも言えない1%であった.
まとめ
高校生が作業療法を知る機会は少なく,もし入学したとしても思い描いていた授業内容と違いがある場合は途中で休学・退学することもある.高校生に対する作業療法の啓蒙と,高等学校から専門学校への一貫した教育プログラムの開発は,作業療法の発展に寄与できる可能性があると再認識できた.今回の報告は福祉科のある1校の報告であり,同時に他の福祉科1校,総合学科2校,普通科1校にも実施した.4校という限られた対象数のため,客観性,普遍性の証明は難しいと思われる.次年度以降も継続して実施し,高等高校と専門学校の連携システムの構築を目指したい.
進路決定の段階で職種に関する理解は必要不可欠だが,リハビリテーション専門職に関して高校生が接する機会は少ない.職業理解を深めることは入学後の目標設定や学習成果,成長につながると思われる.高等学校福祉科などと連携して高等学校3年間と専門学校作業療法学科3年間,合計6年間の一貫型教育プログラムの開発と実証を令和4年から開始した.さらに医療福祉への進学を希望する生徒に当該分野の基礎的な職業教育を実施し,専門学校進学後は専門性の向上や国家試験取得のフォローを継続的に支援することを目的とした.なお,本事業は専修学校により文部科学省の地域産業中核的人材養成事業として実施した.
方法
1年目の令和3年度は事業実施体制の構築,職業教育に関する調査,カリキュラム設計や教材開発などの一貫型教育プログラム開発,実証講座の実施準備,事業成果の公開,2年目の令和4年度は実施委員会・分科会の開催,一貫型プログラム開発,実証講座の実施,事業成果の公開を実施した.開発する教育プログラムの検証として学習成果,受講生,指導者の視点から実施結果の分析・評価を試みた.沖縄県立高校のA高等学校総合学科1年生に8講座で計12コマ,B高等学校福祉課1年生に11講座で計20コマ,C高等学校福祉科1〜3年生(2•3年生はプレ実施)に4講座で計6コマ,D高等学校総合学科1年生に5講座で計6コマ,E高等学校障害スポーツ学科3年生(プレプレ実証)に1講座で計2コマを実施した.
結果
A高等学校のアンケート結果より,授業の内容に興味が持てたかは,興味が持てた60%,少し興味が持てた33%,あまり興味が持てなかった5%,興味が持てなかった1%,どちらとも言えない2%であった.将来の進路を考えるのに参考になったと思うかは,そう思う58%,少しそう思う36%,あまりそう思わない3%,そう思わない3%,どちらとも言えない1%であった.働くことへの興味・関心は高まったかは,高まった62%,少し高まった32%,あまり高まらなかった45,高まらなかった1%,どちらとも言えない1%であった.内容を詳しく知りたい・調べたいと思ったかは,そう思う46%,少しそう思う45%,あまりそう思わない7%,そう思わない2%,どちらとも言えない1%であった.
まとめ
高校生が作業療法を知る機会は少なく,もし入学したとしても思い描いていた授業内容と違いがある場合は途中で休学・退学することもある.高校生に対する作業療法の啓蒙と,高等学校から専門学校への一貫した教育プログラムの開発は,作業療法の発展に寄与できる可能性があると再認識できた.今回の報告は福祉科のある1校の報告であり,同時に他の福祉科1校,総合学科2校,普通科1校にも実施した.4校という限られた対象数のため,客観性,普遍性の証明は難しいと思われる.次年度以降も継続して実施し,高等高校と専門学校の連携システムの構築を目指したい.