[PQ-6-1] 静岡県作業療法士会災害時緊急対応マニュアル作成
各POS都道府県士会の動向調査の結果より参考になった点について
【背景】静岡県は南海トラフ巨大地震の震源想定域内にあり,また昨今の風水害の規模が増している中で災害はいつどのような規模で発生されるかは予想出来ず,激甚災害に指定される災害においては個別の対応では解決不可能と予測される.そのため,公益社団法人静岡県作業療法士会(以下,静岡県士会)は静岡県又は他都道府県内に甚大な災害が発生したことを想定した「災害時緊急対応マニュアル(以下,マニュアル)」を作成することとした.作成にあたり各理学療法・作業療法・言語聴覚士都道府県士会(以下,各POS士会)のマニュアル及び関連資料の動向調査を行い,参考になった点について言及する.発表に際し倫理的配慮に言及する箇所がなくCOIに関連する企業等もない.
【目的】各POS士会の動向を調査し静岡県士会のマニュアル及び関連資料を作成する.
【方法】各POS士会のHPを調査しマニュアル及び関連資料の動向を調査し結果を示した.動向を調査すると共に静岡県士会のマニュアル及び関連資料作成を行った.
【結果】・マニュアルが作成されているPOS士会:PT4県,OT1府3県,STなし・「災害時対応フローチャート」のあるPOS士会:PT3県,OTなし,STなし・「組織図」のあるPOS士会:PT1県,OT2県,STなし・「発災時の指揮・連絡系統の流れ」のあるPOS士会:PTなし,OT1県,STなし・「災害支援活動の流れ」のあるPOS士会:PT1県,OT1県,STなし.
【考察】結果よりマニュアル作成済み及びそれに関連する資料が作成されているPOS士会は僅かであった.マニュアルのみでは県士会員への支援や他団体との連携体制等の確立は難しいことが示唆され,関連資料作成の必要性が感じられた.そこで静岡県士会では各POS士会のものを参考にマニュアルの他に関連資料として(ア)災害時対応フローチャート(イ)災害対応連絡・報告用紙(ウ)発災時の指揮・連絡系統の流れ(エ)災害時支援活動表を作成することとした.マニュアル作成にあたり重要視した点は,(1)各県士会員の安否確認・支援事項(2)災害支援ボランティアの派遣・受援事項である.(1)を担うのは「緊急対策本部」とし,本部長,副本部長,事務局長の三役.(2)を担うのは「災害マネジメント本部」で三役に災害対策委員を加えて現地対策本部と連携することとし,組織図に示すことで災害医療の原則である「CSCATTT」の「C:Command&Control (指揮と連携)」の組織体制確立を重要視した.関連資料については各県士会員の安否確認対応として(ア),(イ)を示し円滑化を図ることとした.(ウ)では発災後の静岡県士会と他組織との指揮・連絡系統を示し,(エ)では平時・発災後~第四次対応を一覧表にして提示することで各組織の動きを一目で分かるようにした.更に「各施設・個人レベル」を加えることで,有事の際に各県士会員の行動指針を明確化することが出来るのではないかと考える.このようにマニュアルと(ア)~(エ)を連動させることで大規模災害時に備えるようにする工夫を行った.今後の課題としてコーディネーター(災害対策委員)はロジスティックスも担当するため,常にスキルアップに努め有事に活動出来るようにしておくこと,平時より現地対策本部内の現地責任者に県内各圏域広域支援センターの担当作業療法士を配置し有事において災害支援ボランティアとの連携を確立すること,日本作業療法士協会主催の災害シミュレーション訓練等を通して課題分析を行い,マニュアル等をブラッシュアップしていくことが挙げられる.
【目的】各POS士会の動向を調査し静岡県士会のマニュアル及び関連資料を作成する.
【方法】各POS士会のHPを調査しマニュアル及び関連資料の動向を調査し結果を示した.動向を調査すると共に静岡県士会のマニュアル及び関連資料作成を行った.
【結果】・マニュアルが作成されているPOS士会:PT4県,OT1府3県,STなし・「災害時対応フローチャート」のあるPOS士会:PT3県,OTなし,STなし・「組織図」のあるPOS士会:PT1県,OT2県,STなし・「発災時の指揮・連絡系統の流れ」のあるPOS士会:PTなし,OT1県,STなし・「災害支援活動の流れ」のあるPOS士会:PT1県,OT1県,STなし.
【考察】結果よりマニュアル作成済み及びそれに関連する資料が作成されているPOS士会は僅かであった.マニュアルのみでは県士会員への支援や他団体との連携体制等の確立は難しいことが示唆され,関連資料作成の必要性が感じられた.そこで静岡県士会では各POS士会のものを参考にマニュアルの他に関連資料として(ア)災害時対応フローチャート(イ)災害対応連絡・報告用紙(ウ)発災時の指揮・連絡系統の流れ(エ)災害時支援活動表を作成することとした.マニュアル作成にあたり重要視した点は,(1)各県士会員の安否確認・支援事項(2)災害支援ボランティアの派遣・受援事項である.(1)を担うのは「緊急対策本部」とし,本部長,副本部長,事務局長の三役.(2)を担うのは「災害マネジメント本部」で三役に災害対策委員を加えて現地対策本部と連携することとし,組織図に示すことで災害医療の原則である「CSCATTT」の「C:Command&Control (指揮と連携)」の組織体制確立を重要視した.関連資料については各県士会員の安否確認対応として(ア),(イ)を示し円滑化を図ることとした.(ウ)では発災後の静岡県士会と他組織との指揮・連絡系統を示し,(エ)では平時・発災後~第四次対応を一覧表にして提示することで各組織の動きを一目で分かるようにした.更に「各施設・個人レベル」を加えることで,有事の際に各県士会員の行動指針を明確化することが出来るのではないかと考える.このようにマニュアルと(ア)~(エ)を連動させることで大規模災害時に備えるようにする工夫を行った.今後の課題としてコーディネーター(災害対策委員)はロジスティックスも担当するため,常にスキルアップに努め有事に活動出来るようにしておくこと,平時より現地対策本部内の現地責任者に県内各圏域広域支援センターの担当作業療法士を配置し有事において災害支援ボランティアとの連携を確立すること,日本作業療法士協会主催の災害シミュレーション訓練等を通して課題分析を行い,マニュアル等をブラッシュアップしていくことが挙げられる.