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[AHW27-11] ユニバーサルモデルによる水文時空間データのモデル化
キーワード:フラクタル, 水文時空間データ, フィルタリング, ユニバーサルモデル, e-model
多くの地球科学的データがフラクタルモデルでモデル化できることが多くの研究結果で示されている.本研究では,モノフラクタルモデルのうち,Bm(ブラウン運動), fBm(非整数ブラウン運動), fLm(非整数Lévy運動),それにフラクタルモデルではないがe-model(Gomi and Kuzuha, 2013)の適用可否について検討した.Bm, fBm, fLm の構成法として,スペクトル法(Lavallée, 2008など)がある.場がフラクタルである場合,データをフーリエ変換すると,角振動数(または波数)とパワースペクトルは,log-log-linearな関係となる.スペクトル法は,ホワイトノイズ(Gaussホワイトノイズ,Lévyノイズなど)を発生させ,log-log-linearなフィルタを通すことによってモンテカルロシミュレーション的なデータを作成する.多くの地球科学データはフラクタル的ではあるが,例えば,Gomi and Kuzuha(2013)によれば,日降水量時系列は,角振動数とパワースペクトルの関係が指数関数的になり,指数関数で表したフィルターを用いることでデータを再現できた(e-model).本研究では,このように,log-log-linearなフィルタ(すなわちフラクタルな場合)以外のフィルタを用いる場合も含め,このようなスペクトル法で表すモデルをユニバーサルモデルと考え,それで時空間的な水文学的データがモデル化が可能かどうかを確認した.その結果,解析雨量を用いた1時間降水量の時系列,空間的な降水量の場が,fBmやfLmでモデル化できることが分かった.さらに,量的データだけではなく,河川水中のイオン濃度の時系列や,水道水中の硝酸態窒素の時系列も,fLmで表現可能であることが分かった.Gomi, C. and Y. Kuzuha(2013), Simulation of a Daily Precipitation Time Series Using a Stochastic Model with Filtering, Open Journal of Modern Hydrology, DOI: 10.4236/ojmh.2013.34025Lavallée, D.(2008), On the Random Nature of Earthquake Sources and Ground Motions: A United Theory, Advances in Geophysics, Vol. 50, 2008, pp. 427-461.