日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 G (教育・アウトリーチ) » 教育・アウトリーチ

[G-02_29PO1] 地球惑星科学のアウトリーチ

2014年4月29日(火) 18:15 〜 19:30 3階ポスター会場 (3F)

コンビーナ:*植木 岳雪(千葉科学大学危機管理学部)、小森 次郎(帝京平成大学)

18:15 〜 19:30

[G02-P07] 野外観察授業の効率化に向けた取り組み

*北山 智暁1小森 次郎2飯田 和也3ジオエデュケーション メンバー 4 (1.海洋研究開発機構、2.帝京平成大学、3.東京工業大学、4.ジオエデュケーション)

キーワード:巡検, 自然観察, 野外教材, 能動学習, 体験学習

地球という星にすむ私たち、中でも地震や火山の噴火といった地球の活動に直接触れる機会の多い私たち日本人にとって、「地球を正しく知る」ことは重要で、かつ必要なことである。2012年、「野外観察授業」を通して「地球を正しく知る」ことを目標に、地球科学を専門とする研究者、技術者、教員、大学院生が集まり、教育現場における野外観察授業の実施をサポートする「ジオ×エデュケーション」の活動が始まった。
2012年度は我々の取り組みに賛同をいただいた都内の2つの中学校(ともに2年生)を対象に、それぞれ神奈川県城ケ島、埼玉県長瀞をフィールドにした野外観察授業を実施した。2つの野外観察授業を実施してみて、生徒に与える資料や教材の工夫など、今後の課題も明らかとなった。そこで、2013年度は野外観察授業における資料や教材開発を中心に活動を行った。まず、生徒に与える資料はこれまでフィールドノートと解説用のパンフレットの2冊を用いてきたが、机も無い中2冊の資料を持ち野外においてメモをするのは大変という声があがったので、フィールドノートと解説用のパンフレットを一体化させた「巡検ノート」を作成した。巡検ノートには、インストラクターの解説をメモすることができるだけではなく、観察地点の解説、スケッチ、撮影した写真の添付欄が設けられている。野外観察授業での効率化が図れたのはもちろんのこと、学校に戻ってからの事後課題の教材として用いることができ巡検を実施した学校教員からも好評であった。
さらに、インストラクターへのアンケートや生徒たちの事後課題から、説明対象が遠い場合や口頭では伝えづらい対象物の場合、生徒に十分理解されていないという課題があった。そこで室内授業で用いるような断層モデルやペットボトルで作った堆積実験機など持ちやすいサイズで対象物を模式化した野外教材を開発した。これにより、「説明がやりやすくなった」という声があがった一方、「観察地点でさまざまな教材を使わなければならないので大変だった」という声も上がった。
本発表では、ジオ×エデュケーションの紹介とともに、野外観察授業の理解増進につながる教材開発と実践について、その成果と課題を報告する。