日本地球惑星科学連合2014年大会

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口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-CG 地球人間圏科学複合領域・一般

[H-CG38_29AM2] 惑星と閉鎖生態系における生物のシステム―微生物からヒトまで

2014年4月29日(火) 11:00 〜 12:45 424 (4F)

コンビーナ:*富田ー横谷 香織(筑波大学大学院生命環境科学研究科)、小島 洋志(なし)、座長:富田ー横谷 香織(筑波大学大学院生命環境科学研究科)

11:15 〜 11:30

[HCG38-02] 閉鎖生態系に有用な要素としての Nostoc sp. HK-01 の乾熱耐性

*木村 駿太1加藤 浩2佐藤 誠吾1富田ー横谷 香織1 (1.筑波大学、2.三重大学)

キーワード:物質循環, 閉鎖生態系, ラン藻, 乾熱耐性, 細胞外多糖, Nostoc sp. HK-01

人工的な閉鎖生態系を設計する際、理想的な環境条件だけでなく変動する環境条件においても保持できる、汎用性が高い生態系を構築する事が望ましいと考えられる。このとき導入生物に要求されるひとつの要素として、乾燥および幅広い温度に対する耐性が考えられる。Nostoc sp. HK-01 は陸棲のラン藻 ( シアノバクテリア ) の一種である。光合成能および窒素固定能をもち、食糧としても有用であることから、宇宙をはじめとした閉鎖生態系における物質循環に利用できると考えられている。また、閉鎖生態系への導入時に予測されるそれぞれの耐性に関する研究が必要である。そこで、宇宙環境を想定した耐性の検証のひとつとして、Nostoc sp. HK-01 の乾燥した藻体の乾熱 ( 100℃, 10h ) に対する耐性が証明されたが、そのしくみの詳細はまだ明らかになっていない。本発表は、乾燥、低温、NaClおよび重粒子線など各種耐性への関与が報告されている細胞外多糖 ( EPS ; Extracellular polysaccharides ) に焦点を絞る。EPSが乾燥条件下において乾熱耐性を高める可能性について生長生理レベルで検証し、考察する。