日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-TT 計測技術・研究手法

[M-TT41_28PO1] 地球惑星科学における地図・空間表現

2014年4月28日(月) 18:15 〜 19:30 3階ポスター会場 (3F)

コンビーナ:*小荒井 衛(国土地理院地理地殻活動研究センター地理情報解析研究室)、鈴木 厚志(立正大学地球環境科学部)

18:15 〜 19:30

[MTT41-P13] 歴史叙述の時空間アニメーション表現を基本とする学習環境

*井上 泰志1鶴岡 謙一1有川 正俊1 (1.東京大学空間情報科学研究センター)

キーワード:歴史学習, 可視化, ユビキタスマッピング

歴史的事実を学び,得られた知識を手段として用いることにより,将来の行動に対して予見をもつことを目的として,歴史学習が行われている.歴史学習では,歴史叙述のもつ事象間の因果的な関係性を正しく理解することが重要となる.教科書による歴史学習は,文章と数枚の図や写真,地図,年表などによって行われている.しかし,この枠組みでは事実を断片的・静的に表現しているだけであり,事象どうしの繋がりは学習者が頭の中でイメージして把握しなければならず,一般に困難である.歴史叙述における事象間に存在する因果的な関係性を容易に正しく理解できる学習環境が望まれる.
 そこで,事象間の関係性を構造化し,その構造に基づき時空間表現としてのアニメーションにより歴史叙述の可視化を行う学習環境を提案する.歴史叙述は,個々の事象を時間関係・因果関係により組み合わせ,テーマを表現することにより形成される.この構造に基づき,歴史叙述を連続的に表現する,インタラクティブな利用者インタフェースをもつプロトタイプシステムを開発している.提案システムの主な特徴は以下の3点である.
(1)事象間の関係性を矢印により地図と年表上に表現
(2)事象間の関係性を階層構造により地図と年表上に表現
(3)叙述中の一点の事象に焦点を当てた情報提示
提案システムのモデルケースとして,東日本大震災時の省庁・自治体の取り組みについて時空間表現のコンテンツの制作を行っている.このモデルケースを通して,提案システムの特徴である,事象間の因果関係の理解の容易性,つまり歴史学習の実効性を明らかにすることが本研究の目的である.