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[SGL44-11] 千葉セクションにおける下部-中部更新統境界と白尾火山灰層の分布状況
キーワード:白尾火山灰, 国本層中上部層, 養老川, 千葉セクション
白尾火山灰層は市原市南部に分布し,上総層群国本層中上部層の基底付近に位置する.国本層は層相から4区分でき,上位より上部層(砂勝ち砂泥互層),中上部層(塊状泥層),中下部層(砂勝ち砂泥互層),下部層(塊状泥層)となっている(三梨他,1959;徳橋・遠藤,1983;木村他,2012).ブリュンヌ正磁極期と松山逆磁極期の境界付近に下部-中部更新統境界が設定され,本境界が白尾火山灰層の下底付近に引かれる(会田ほか, 2010).本調査範囲内において,白尾火山灰層の分布が養老川(田淵)から田淵川(田淵),西川(月出),古敷谷川(古敷谷)まで確認された(木村他,2012).今後の追跡調査は,丹念な踏査が必要となってくるが,白尾火山灰層の上位に挟在するKu2(Ku2B’・Ku2B)の分布状況がかなり確認されているため(三梨他,1961;石和田他,1971;三梨・菊池,1971;三梨編,1979;徳橋・遠藤,1983;中嶋・渡辺,2005),追跡の重要な手がかりになると考えられる.会田信行・井上進・宇澤政晃・香川淳・風岡修・木村和也・木村英人・楠田隆・葛岡等・小玉喜三郎・酒井豊・佐久間豊・高畠英世・塚定良治・楡井久・檜山知代・古野邦雄・堀内正貫・丸井敬司・安田敬一・吉田剛・吉野秀夫,2011,中・下部更新統境界模式セクション候補地(千葉県市原市田淵)の認定に向けた取り組みとジオパーク,第20回環境地質学シンポジウム論文集,31-34.木村英人・風岡修・楡井久,2012,下部-中部更新統境界模式候補地と白尾火山灰層の分布状況,第21回環境地質学シンポジウム論文集,201-206.石和田靖章・三梨昂・品田芳二郎・牧野登喜男編,1971,日本油田・ガス田図10「茂原」,地質調査所.三梨昂・安国昇・品田芳二郎,1959,千葉県養老川・小櫃川の上総層群の層序-養老川・小櫃川流域地質調査報告-,地質調査所月報,10,83-98.三梨昂・矢崎清貴・影山邦夫・島田忠夫・小野暎・安国昇・牧野登喜男・品田芳二郎・藤原清丸・鎌田清吉,1961,5万分の1日本油田・ガス田図10「富津-大多喜」,地質調査所.徳橋秀一・遠藤秀典,1983,姉崎地域の地質,地域地質研究報告,5万分の1図幅,地質調査所.