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[STT60-07] マントル対流研究とHPC: これまでとこれから
キーワード:マントル対流, 数値シミュレーション
「マントル対流」とは、岩石からなるマントルが主に固体の状態を保ったまま、非常に長い時間 (数百万年~数億年) をかけて、ゆっくりとした速度 (数cm/年) で地球内部を流動している現象を指す。地球惑星科学的にいえばこの流動は、我々が地球表面で観察できる地学現象 (地震・火山・プレート運動など) のほとんど全てに関与しているほか、地球や地球型惑星の内部のダイナミクスや進化の過程をも規定する重要なメカニズムである。その一方で流体力学的には、地球惑星の深部で起こっている種々の流動・変動現象の中でもとりわけ特異な性質をもつ流体の運動である。かくも特異なマントル対流の全貌を理解する上では、数値シミュレーションが不可欠なツールの1つである。実際、マントル対流を数値流体シミュレーションから理解しようという試みは、古くは1960 年代にまで遡ることができ、それ以来 HPC の進歩はマントル対流研究の進展に重要な意味をもっている。本発表では、マントル対流のシミュレーションのこれまでの進歩を簡単に振り返りつつ、今後のHPCの発展と歩調を合わせながら進んでいくであろうマントル対流研究の方向性についても考えてみたい。