18:15 〜 19:30
[AHW27-P06] 地下水流動に伴う酸化還元電位変動及び硝酸態窒素濃度変化
【背景と目的】
近年、農業での硝酸汚染が問題となっているこれに対し、地下水中での自然の浄化作用として、脱窒が存在する。脱窒は、溶存酸素濃度が低く、還元的環境下で起こることが知られている。酸化還元状態は脱窒反応を制御する1つの要素であるが、地下水中での酸化還元電位変動への研究は十分ではない。そこで本研究では、花崗岩不圧帯水層を対象に酸化還元電位変化をモニターし、その変化に対する地下水流動の影響、及び酸化還元電位変化に伴う硝酸態窒素濃度変化への考察を行ったので報告する。
【対象地域】
研究地域は、瀬戸内海の島嶼の一つである広島県尾道市瀬戸田町(生口島)の南部沿岸域である。対象地域の基盤地質は主に花崗岩からなり、急勾配な山地流域地形を呈し、沿岸域の地形勾配は約1/50で、中流域から下流側には扇状地が形成されている。土地利用として、柑橘類の果樹園が流域内に広く分布している。
【方法】
2014年9月から2015年2月にかけて、2つのボーリング観測井(深度15m,30m)においてマルチ水質モニタリングシステム(W-22XD,堀場製作所)を用いて酸化還元電位変化を、自記記録式水位センサー(HOBO U20 Water lebel logger,Onset Computer Corporation)を用いて地下水位変化をモニターした。また、観測期間中計6回、地下水試料の採取を行い、採水時には溶存酸素濃度(DO)等の測定を行った。採取した地下水試料は実験室に持ち帰り、硝酸態窒素、塩化物イオン等の分析を行った。
【結果と考察】
酸化還元電位変化をモニターした結果、2014年9月下旬及び12月上旬において顕著に低下した。これに関して、降水量を見てみると、2014年9月及び11月は比較的降水量が少なく、地下水位も低くなっている。すなわち、地下水位が低下することにより流速は低下し、地下水がより停滞的になることによって還元環境へと移行した可能性が示唆される。硝酸態窒素濃度は、深度15mで9ppm、深度30mで6ppmほどの値を示している。この2地点、特に深度15mでは、高い溶存酸素濃度を示しており、脱窒が活発に起こっていないため、高い硝酸態窒素濃度を示していると考えられる。酸化還元電位変化に伴う硝酸態窒素濃度変化については、ポスターの方で紹介したいと思う。
近年、農業での硝酸汚染が問題となっているこれに対し、地下水中での自然の浄化作用として、脱窒が存在する。脱窒は、溶存酸素濃度が低く、還元的環境下で起こることが知られている。酸化還元状態は脱窒反応を制御する1つの要素であるが、地下水中での酸化還元電位変動への研究は十分ではない。そこで本研究では、花崗岩不圧帯水層を対象に酸化還元電位変化をモニターし、その変化に対する地下水流動の影響、及び酸化還元電位変化に伴う硝酸態窒素濃度変化への考察を行ったので報告する。
【対象地域】
研究地域は、瀬戸内海の島嶼の一つである広島県尾道市瀬戸田町(生口島)の南部沿岸域である。対象地域の基盤地質は主に花崗岩からなり、急勾配な山地流域地形を呈し、沿岸域の地形勾配は約1/50で、中流域から下流側には扇状地が形成されている。土地利用として、柑橘類の果樹園が流域内に広く分布している。
【方法】
2014年9月から2015年2月にかけて、2つのボーリング観測井(深度15m,30m)においてマルチ水質モニタリングシステム(W-22XD,堀場製作所)を用いて酸化還元電位変化を、自記記録式水位センサー(HOBO U20 Water lebel logger,Onset Computer Corporation)を用いて地下水位変化をモニターした。また、観測期間中計6回、地下水試料の採取を行い、採水時には溶存酸素濃度(DO)等の測定を行った。採取した地下水試料は実験室に持ち帰り、硝酸態窒素、塩化物イオン等の分析を行った。
【結果と考察】
酸化還元電位変化をモニターした結果、2014年9月下旬及び12月上旬において顕著に低下した。これに関して、降水量を見てみると、2014年9月及び11月は比較的降水量が少なく、地下水位も低くなっている。すなわち、地下水位が低下することにより流速は低下し、地下水がより停滞的になることによって還元環境へと移行した可能性が示唆される。硝酸態窒素濃度は、深度15mで9ppm、深度30mで6ppmほどの値を示している。この2地点、特に深度15mでは、高い溶存酸素濃度を示しており、脱窒が活発に起こっていないため、高い硝酸態窒素濃度を示していると考えられる。酸化還元電位変化に伴う硝酸態窒素濃度変化については、ポスターの方で紹介したいと思う。