日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS29] 大気電気学

2015年5月24日(日) 11:00 〜 12:45 A01 (アパホテル&リゾート 東京ベイ幕張)

コンビーナ:*芳原 容英(電気通信大学 大学院情報理工学研究科)、牛尾 知雄(大阪大学大学院工学研究科情報通信工学部門)、座長:牛尾 知雄(大阪大学大学院工学研究科情報通信工学部門)

12:30 〜 12:45

[MIS29-14] 夏季スプライトと親雷雷雲のライフサイクル~2013年富士山キャンペーン観測

*鈴木 裕子1鴨川 仁1鈴木 智幸1 (1.東京学芸大学教育学部物理学科)

キーワード:スプライト, 高高度放電発光現象, 雷雲

房総半島や千葉など、東日本上空に発生する高高度放電発光現象の映像を得るため、孤立峰で高度3776 mである富士山山頂において観測を行った。多くの高高度放電発光現象が2013年の夏の間、特にこのエリアで発生した正極性落雷に起因していた。夏の雷雲は地上や海上を覆い、しばしば富士山山頂より下に位置する。富士山山頂は大気圧が低く、大気汚染が少なく、孤立峰であり360°の眺めがあることから、高高度放電発光現象の観測事例を増やすことや鮮明な画像を取得することが期待できる。我々はモノクロCCDカメラを用いて数km離れた高高度放電発光現象を捉えた。さらに、スプライトと親雷と親積乱雲の関係を調べる。6つのスプライト事例は正極性落雷に関連しており、落雷の電流は156 ± 76 kA (89 - 312 kA)であった。また、スプライトは正極性落雷の発生の41 ± 30 ms後に発生しており、正極性落雷位置とスプライト発生位置は層状雲の発生していた領域にあった。