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[HTT31-05] ストロンチウム同位体比によるワサビ産地判別の有用性
キーワード:地理的起源, ワサビ, ストロンチウム同位体比, 微量元素, 静岡県
静岡県の地質は東部の新しい火山岩から西部の古い堆積岩や変成岩まで多岐にわたっており、大気降下物や人為的な影響が少ない河川最上流部の湧水の水質は、各地の地質を反映した元素・同位体組成になると考えられる。このような湧水地で栽培されるワサビを対象として、産地判別におけるストロンチウム同位体比(87Sr/86Sr)の有用性を評価した。21地点においてワサビ59サンプルおよびその生育地である湧水58サンプルを採取し、微量元素・87Sr/86Srを測定した。その結果、87Sr/86Srは地質の特徴によって異なる値となり、同地点のワサビと湧水の値がほぼ一致することを確認した。バナジウムなどの微量元素と87Sr/86Srの値を組み合わせて比較することにより、地質の異なるワサビ生産地を特定できることが明らかになった。