09:45 〜 10:00
[SIT36-04] 表面波解析に基づく3次元地殻変動観測と長周期励起源への応用
キーワード:地球内部構造, 表面波
これまでの地殻変動観測は, 地表(もしくは地表付近)の固体地球の変形をとらえてきた. さらに深い領域における地殻変動観測ができれば, 地球内部の運動が手にとるように見ることができ, プレート運動を始めとするマントル対流の理解にも, 地震の準備・発生過程の理解にも有効であろう.
弾性波アクロスは地表のシングルフォース震源であり, 主に表面波が励起される. ambient noise や自然地震に比べ, 震源パラメータの不確定性が格段に小さいことから, そのぶん媒質の時間変動の検知精度は高いと考えられる. これまでも時間変動検出の努力はなされてきたが, 実体波の走時変動の解析がほとんどであった. 本研究は, (1) 表面波データを用いて時間変動成分を高精度に検出し, (2) 媒質の時間変化を3次元マッピングをすることを目的とし, 必要な解析手法・アルゴリズムを提案する. また現在の観測データを用いてどこまで可能であることをデモンストレーションするとともに, 長周期震源が開発された場合にどこまで拡張可能であるかを示す予定である. 地震波の伝播時間を見るというフィルター越しの観測であるが, 地殻変動の3次元分布に関する直接的な証拠が得られるので, 新たな地球科学の観測ツールになりうると考えている.
本解析の特色を, 主に従来の実体波解析との対比により述べる. 第一に最も基本的な観測量は地震波形の周波数スペクトルであるので, この基本量をできるだけ高精度で観測することに最大限の注意を払う. スペクトルの見かけ上の時間変動データから, 適切なフィルター処理・モデル推定を行い, 地殻変動のシグナル成分を抽出する. 第2に, 周波数スペクトルが基本データであるので, 周波数領域でデータを解析する. 個々のデータ毎に観測誤差は異なるので, 時間領域に変換して取扱いを複雑にすることなく, 誤差の違いを考慮する. 解析手法自体は確立された表面波トモグラフィーそのものであり, 既存の地震学の応用である.
弾性波アクロスは地表のシングルフォース震源であり, 主に表面波が励起される. ambient noise や自然地震に比べ, 震源パラメータの不確定性が格段に小さいことから, そのぶん媒質の時間変動の検知精度は高いと考えられる. これまでも時間変動検出の努力はなされてきたが, 実体波の走時変動の解析がほとんどであった. 本研究は, (1) 表面波データを用いて時間変動成分を高精度に検出し, (2) 媒質の時間変化を3次元マッピングをすることを目的とし, 必要な解析手法・アルゴリズムを提案する. また現在の観測データを用いてどこまで可能であることをデモンストレーションするとともに, 長周期震源が開発された場合にどこまで拡張可能であるかを示す予定である. 地震波の伝播時間を見るというフィルター越しの観測であるが, 地殻変動の3次元分布に関する直接的な証拠が得られるので, 新たな地球科学の観測ツールになりうると考えている.
本解析の特色を, 主に従来の実体波解析との対比により述べる. 第一に最も基本的な観測量は地震波形の周波数スペクトルであるので, この基本量をできるだけ高精度で観測することに最大限の注意を払う. スペクトルの見かけ上の時間変動データから, 適切なフィルター処理・モデル推定を行い, 地殻変動のシグナル成分を抽出する. 第2に, 周波数スペクトルが基本データであるので, 周波数領域でデータを解析する. 個々のデータ毎に観測誤差は異なるので, 時間領域に変換して取扱いを複雑にすることなく, 誤差の違いを考慮する. 解析手法自体は確立された表面波トモグラフィーそのものであり, 既存の地震学の応用である.