日本地球惑星科学連合2016年大会

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ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-AS 大気科学・気象学・大気環境

[A-AS13] ミクロスケール気象現象解明にむけた稠密観測・予報の新展開

2016年5月23日(月) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 6ホール)

コンビーナ:*古本 淳一(京都大学生存圏研究所)、常松 展充(東京都環境科学研究所)、荒木 健太郎(気象研究所)

17:15 〜 18:30

[AAS13-P03] 夏季中部山地における対流雲の発生環境場の鉛直構造と日変化

*荒木 健太郎1村上 正隆1加藤 輝之1田尻 拓也1 (1.気象研究所)

キーワード:対流雲、日変化、地上マイクロ波放射計

夏季中部山地の対流雲の環境場の鉛直構造と日変化特性を,東京都奥多摩町で実施した地上マイクロ波放射計(MWR),地上気象,ウィンドプロファイラ,高層観測をもとに統計的に調査した.
まず,2012~2014年7・8月の典型事例を抽出し,活発日・不活発日に分類した.地上とウィンドプロファイラ観測結果から,活発日・不活発日で局地循環の鉛直構造や日変化特性はほぼ同じであることがわかった.また,気象庁非静力学モデル(NHM)による数値実験結果を第一推定値として,MWR観測値を用いた鉛直1次元変分法データ同化(1DVAR)を行って気温・水蒸気の高度分布を算出した.活発日・不活発日の1DVARに基づく各種安定指数は,活発日のほうが一日を通して不安定度が大きかったが,日変化特性に大きな違いは見られなかった.これらより,夏季中部山地の対流雲の発生環境場について,09時(00UTC)の高層気象観測結果に基づく従来の診断方法が日変化の影響を考慮しても有効であることがわかった.