日本地球惑星科学連合2016年大会

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口頭発表

セッション記号 G (教育・アウトリーチ) » 教育・アウトリーチ

[G-04] 小・中・高・大の地球惑星科学教育

2016年5月22日(日) 09:15 〜 10:30 203 (2F)

コンビーナ:*畠山 正恒(聖光学院中学高等学校)、座長:畠山 正恒(聖光学院中学高等学校)、根本 泰雄(桜美林大学自然科学系)

09:45 〜 10:00

[G04-03] 高校における数値シミュレーションを活用した地球物理教育のカリキュラムの開発

*丹羽 淑博1佐藤 俊一2鈴木 悠太1鈴木 雅之3安永 和央4 (1.東京大学海洋アライアンス海洋教育促進研究センター、2.東京都立日比谷高等学校 / 東京大学海洋アライアンス海洋教育促進研究センター連携研究員、3.昭和女子大学人間社会学部、4.東京大学/ 日本学術振興会)

キーワード:高校物理、地球物理教育、海洋教育、数値シミュレーション

本研究の目的は、高校物理の発展的内容として、数値シミュレーションを活用して、直感的には理解しにくい地球物理現象を学ぶことができる一連の新たなカリキュラム開発を行うことである。一昨年度・昨年度は、津波の数値シミュレーションを実行する授業の実践報告を行った(丹羽ほか, 2014)。今年度はさらに、空気抵抗を受ける火山弾の放物運動とコリオリ力が作用するフーコーの振り子の運動を学習素材に取り上げ授業を実施した。火山弾の運動の授業は高校2年生の「物理基礎」の発展として、コリオリ力の授業は3年生の「物理」の力学における非慣性系の単元において行った。いずれも2時限(1時限=45分)続きの授業案を立てた。1時限目には微分方程式としての運動方程式の意味、微分方程式を差分化し数値的に近似解を求める方法について講義を行い、2時限目には生徒二人に一台ずつノートパソコンを与え、生徒が実際にパソコンを操作し数値シミュレーションを実行する形で実習を行った。数値シミュレーションで得られた結果は、それぞれ伊豆大島・波浮湾噴火の火山弾によって形成されたbomb sagや噴石分布の観測結果(Sato, 1988)、校内にあるフーコーの振り子の実験結果と比較検証した。さらに、授業後に全生徒に対し質問紙調査を行ない、数値シミュレーションの活用が地球物理現象の理解にどのような効果を持つのか等、生徒の学びの評価を行った。
(参考文献)
丹羽淑博, 佐藤俊一, 鈴木悠太(2014), 高校における海洋物理教育のカリキュラム開発-数値シミュレーションで学ぶ津波の物理の基礎-, 第24回海洋工学シンポジウム論文集, OES24-A0068.
Sato, S.,(1988), Mechanism of causing base surge, inferred from the bomb sag's structure and its trajectory, Kagoshima International Conference on Volcanoes 1988 Proceeding, 79-82