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[HDS19-P09] 海溝型巨大地震を対象とした津波浸水域データベースの構築:石巻市の例
キーワード:津波浸水域、データベース、石巻市
沿岸近傍及び海岸線汀線の最大津波水位等を即時予測すること(例えば、Tsushima et al., 2009)は、避難行動を取る際の余裕時間や最大津波水位の程度を把握する上での早期警報としては非常に有効であるが、必ずしも市民や各種事業者が利用しやすい早期津波警報の情報とはなっていない。市民や各種事業者がより利用しやすい早期津波警報を出力するためには、対象領域で想定される海溝型巨大地震の津波浸水シミュレーション結果を利用して、沿岸近傍水位と津波浸水域の関係をデータベース化し(例えば、本間・片田、2009)、沿岸近傍の津波水位から内陸の津波浸水域を瞬時に抽出し、津波浸水域を可視化することが有効である。
本報告では、宮城県石巻市を例として、日本海溝巨大地震を対象とした津波浸水域のデータベースを構築した。具体的には、東北沖のプレート境界域にM8~M9レベルの海溝型巨大地震によるシナリオ津波波源モデル(地震本部、2011)27つを設定し、石巻市を対象に津波浸水シミュレーションを実施した。数値計算には非線形長波理論を用いており、沖合では格子サイズ1215m・時間刻み0.9秒、陸域では格子サイズ15m・時間刻み0.1秒とした。初期水位はOkada(1992)により算出された地殻変動量を適用し、境界条件は沖合では完全透過、陸域では小谷ら(1998)の遡上境界条件とした。今後は、津波浸水域と沿岸近傍 (水深50m程度) 域の津波水位を連動させ、マッチング手法を適用することにより津波浸水域の即時予測手法について検討を行う。
本報告では、宮城県石巻市を例として、日本海溝巨大地震を対象とした津波浸水域のデータベースを構築した。具体的には、東北沖のプレート境界域にM8~M9レベルの海溝型巨大地震によるシナリオ津波波源モデル(地震本部、2011)27つを設定し、石巻市を対象に津波浸水シミュレーションを実施した。数値計算には非線形長波理論を用いており、沖合では格子サイズ1215m・時間刻み0.9秒、陸域では格子サイズ15m・時間刻み0.1秒とした。初期水位はOkada(1992)により算出された地殻変動量を適用し、境界条件は沖合では完全透過、陸域では小谷ら(1998)の遡上境界条件とした。今後は、津波浸水域と沿岸近傍 (水深50m程度) 域の津波水位を連動させ、マッチング手法を適用することにより津波浸水域の即時予測手法について検討を行う。