16:30 〜 16:45
[HGG12-05] 下妻市周辺における鬼怒川水害被害と地形との関係
キーワード:鬼怒川水害、下妻市、地形
平成27年関東・東北豪雨について茨城大学で災害調査団が結成され、筆者らは地圏環境グループの一員として参加している。既に中間報告をweb等にアップしているが、このうち筆者が直接関わったものを抜粋して紹介する。特に、2012年度の応用地形判読士の2次試験に下妻市周辺の鬼怒川が取り上げられていたが、そこで述べられていた災害リスクと実際の被害との関連について、ビアスパークしもつま周辺を中心に報告したい。
下妻市前河原南方で生じた溢水による浸水被害を見てみる。鬼怒川左岸の「ビアスパークしもつま」周辺は、地形的には大地を刻む谷地に立地しており、そこは鬼怒川の攻撃斜面になっており、周辺は無堤防区間になっていることから、明らかに浸水被害リスクの高い地形である。そこの場所では、やや上流の無堤防区間の標高のやや低いところ2箇所から溢水して、あたり一帯が浸水した。越流した箇所では、水流によりローム層がえぐられていた。また、ビアスパークしもつま敷地内の谷底低地における浸水痕跡をみると、浸水深は3.4mであった。温泉の建物自体はやや標高の高い箇所に立地しているため浸水は免れたが、電気系統がやられてしまい、当分営業が再開できない状況であった。近隣のしもつま博物館も臨時休館を余儀なくされていた。洪積台地の上でも葉に着いた泥などの浸水痕跡が認められ、浸水深は約70㎝あった。この他の場所では、結城市水海道の旧河道や下妻市鬼怒の旧河道でも浸水被害があり、なかなか水が引かなかった。旧河道と現河道の接合部で、漏水被害が認められた。河川の攻撃斜面側で、堤防の微小な被害が認められた。洪水リスクの高い箇所で、深刻でないにしてもいくつかの変状が認められ、場合によっては深刻な被害に繋がりかねないものもあった。これらの調査結果は、地形を理解することの重要性を示している。
下妻市前河原南方で生じた溢水による浸水被害を見てみる。鬼怒川左岸の「ビアスパークしもつま」周辺は、地形的には大地を刻む谷地に立地しており、そこは鬼怒川の攻撃斜面になっており、周辺は無堤防区間になっていることから、明らかに浸水被害リスクの高い地形である。そこの場所では、やや上流の無堤防区間の標高のやや低いところ2箇所から溢水して、あたり一帯が浸水した。越流した箇所では、水流によりローム層がえぐられていた。また、ビアスパークしもつま敷地内の谷底低地における浸水痕跡をみると、浸水深は3.4mであった。温泉の建物自体はやや標高の高い箇所に立地しているため浸水は免れたが、電気系統がやられてしまい、当分営業が再開できない状況であった。近隣のしもつま博物館も臨時休館を余儀なくされていた。洪積台地の上でも葉に着いた泥などの浸水痕跡が認められ、浸水深は約70㎝あった。この他の場所では、結城市水海道の旧河道や下妻市鬼怒の旧河道でも浸水被害があり、なかなか水が引かなかった。旧河道と現河道の接合部で、漏水被害が認められた。河川の攻撃斜面側で、堤防の微小な被害が認められた。洪水リスクの高い箇所で、深刻でないにしてもいくつかの変状が認められ、場合によっては深刻な被害に繋がりかねないものもあった。これらの調査結果は、地形を理解することの重要性を示している。