13:45 〜 14:00
[MGI21-13] 浅部物理探査結果の3Dモデル化およびウェブ3D表示
キーワード:物理探査、浅部地盤、3Dモデル、 ウェブ3D
地下深部に比べると,表層数10mの浅部地盤およびそれを支持層とする土木構造物は,内部物性構造の不均質性の程度が大きい.従来浅部地盤盤調査にはボーリング調査が多用されてきたが,調査密度が疎なうえ,スポット的なサンプリングに基づいて柱状図が作成されるため記載の信頼性も低かった.ボーリングデータに基づいて浅部の不均質構造を捉えることは現実的に困難であり,また空間的モデル作成にも不確実性が伴っていた.これに対し物理探査は地下空間の物性構造を2Dあるいは3Dの連続情報として提供することができる.物理探査技術はこれまでにも石油資源調査や活断層調査などに広く用いられてきたが,最近のセンサ技術の進歩や高速サンプリングデバイスの開発によって,表層の地盤構造を詳細に探査することが可能となってきている.筆者らは舗装や盛土の内部を2Dあるいは3Dでイメージングする浅部物理探査技術の開発を進めてきている.さらに浅部物理探査で捉えた表層地盤構造を3Dモデル化し,地表面データと合わせて面定義してウェブ上で3D表示する技法を開発した.本発表では地表下3m程度までを対象とし,舗装・盛土の内部物性構造の3D可視化例を紹介し,それらが局所的に極めて不均質であること,浅部物理探査によって数m程度以下のオーダーの不均質構造をイメージングすることが可能であることを紹介する.
適用した探査技術はVRS-GNSS測位機能付きGPRに加え,独自に開発した技術である非接触高周波表面波探査,極浅層反射法探査,および高分解能電気探査である.浅部の変形構造や異常構造の把握が可能となるように,10cm~50cm間隔の格子状の測線を配置して3D的に対象領域をカバーした.これによりたとえば3DGPRでは1600点/ m2×512点/m(深さ)×4Byte(属性)≒3MB/m3のオーダーの連続空間データが得られる.MMSで作成された同じ領域の地表面DSMも同程度の表面カバー密度である.一般的に3D物理探査結果は密実なボクセルモデルとして表現されるが,他の地下情報と重ね合わせて表示する場合,特定の境界面を抽出して複数の面構造の集合体として3Dモデルを表示するサーフェイスモデルのほうが構造を理解しやすい.そこで今回はいくつかの境界面を抽出し,それに地表のオルソ画像,ボーリング孔壁画像データ,2D物理探査断面データを加えた統合3D地盤構造モデルを作成した.なおオルソ画像は,高所撮影カメラ(最大伸長高6m)画像をAgisoft社製のPhotoScanに取り込み合成した.このモデルは平面直交座標系で定義された空間位置情報を有しており,既存のCIM等にも容易にリンクさせることができる.CIMに代表される従来の3Dモデルは,表面のみの薄皮モデルが主体であったが,構築した統合3Dモデルは,表面だけでなく,内部構造を有していることが特徴である.統合3Dモデルの作成にはGolden Software社製のSurfer/Voxlerを用いた.なお従来の3D描画にはOpenGLと称されるAPIが広く利用されてきたが,最近になってこれをJavaScriptからの操作ができるようにしたWebGLが標準仕様化されるに至り,特別なプラグインを必要とせず,標準のウェブブラウザ単体でも3D表示が可能となった.そこでこのWebGLを用いて3D浅部地盤構造モデルを表示した.Web3D表示では,構成する各サーフェースの透過性を調整することができる.これにより地表と地中の構造の空間的関連性を容易に理解することができるとともに,各種地下物性構造データ相互を対比・編集することも可能になった.
適用した探査技術はVRS-GNSS測位機能付きGPRに加え,独自に開発した技術である非接触高周波表面波探査,極浅層反射法探査,および高分解能電気探査である.浅部の変形構造や異常構造の把握が可能となるように,10cm~50cm間隔の格子状の測線を配置して3D的に対象領域をカバーした.これによりたとえば3DGPRでは1600点/ m2×512点/m(深さ)×4Byte(属性)≒3MB/m3のオーダーの連続空間データが得られる.MMSで作成された同じ領域の地表面DSMも同程度の表面カバー密度である.一般的に3D物理探査結果は密実なボクセルモデルとして表現されるが,他の地下情報と重ね合わせて表示する場合,特定の境界面を抽出して複数の面構造の集合体として3Dモデルを表示するサーフェイスモデルのほうが構造を理解しやすい.そこで今回はいくつかの境界面を抽出し,それに地表のオルソ画像,ボーリング孔壁画像データ,2D物理探査断面データを加えた統合3D地盤構造モデルを作成した.なおオルソ画像は,高所撮影カメラ(最大伸長高6m)画像をAgisoft社製のPhotoScanに取り込み合成した.このモデルは平面直交座標系で定義された空間位置情報を有しており,既存のCIM等にも容易にリンクさせることができる.CIMに代表される従来の3Dモデルは,表面のみの薄皮モデルが主体であったが,構築した統合3Dモデルは,表面だけでなく,内部構造を有していることが特徴である.統合3Dモデルの作成にはGolden Software社製のSurfer/Voxlerを用いた.なお従来の3D描画にはOpenGLと称されるAPIが広く利用されてきたが,最近になってこれをJavaScriptからの操作ができるようにしたWebGLが標準仕様化されるに至り,特別なプラグインを必要とせず,標準のウェブブラウザ単体でも3D表示が可能となった.そこでこのWebGLを用いて3D浅部地盤構造モデルを表示した.Web3D表示では,構成する各サーフェースの透過性を調整することができる.これにより地表と地中の構造の空間的関連性を容易に理解することができるとともに,各種地下物性構造データ相互を対比・編集することも可能になった.