11:30 〜 11:45
[MIS09-10] 日本海東縁に発達する表層型ガスハイドレート周辺の間隙水の濃度異常
キーワード:表層型メタンハイドレート、間隙水
日本海東縁のガスチムニー構造が発達する海域では海底の比較的浅部に塊状の表層型ガスハイドレートが胚胎している。ガスハイドレートの生成は結晶相から間隙水中の塩類を排除するため微視的には間隙水中の塩濃度が上昇する。一方、ガスハイドレートの分解・溶解は結晶を構成していた水が間隙水中に放出されるため間隙水中の塩濃度が低下する。これは間隙水の塩濃度がガスハイドレートの分布を推定するためのツールであると同時に、ガスハイドレートの生成速度や生成環境を反映する指標としても応用が可能である。本研究ではPS15航海で採取した堆積物間隙水の塩化物イオン濃度の変化に着目し、表層型ガスハイドレート形成時に堆積物中で起きている地球化学的な変化について考察する。
間隙水の塩化物イオン濃度は、ガスハイドレートがほとんど見られない、もしくは賦存量の少ない(分布のばらついている)サイトでは、海水値に近く、大きな変動は見られない。しかし、メタンフラックスが高く、厚いガスハイドレート層やガスハイドレートの集積率の高い層準が分布するサイトでは深度とともに塩化物イオン濃度が急激に上昇し、1400 mMを超えるような高度濃度帯がみられた。塩化物イオン高濃度帯の分布とメタンフラックス、地形的な関係性について議論を進める。
本研究は経済産業省メタンハイドレート開発促進事業の一環として実施されたものである。
間隙水の塩化物イオン濃度は、ガスハイドレートがほとんど見られない、もしくは賦存量の少ない(分布のばらついている)サイトでは、海水値に近く、大きな変動は見られない。しかし、メタンフラックスが高く、厚いガスハイドレート層やガスハイドレートの集積率の高い層準が分布するサイトでは深度とともに塩化物イオン濃度が急激に上昇し、1400 mMを超えるような高度濃度帯がみられた。塩化物イオン高濃度帯の分布とメタンフラックス、地形的な関係性について議論を進める。
本研究は経済産業省メタンハイドレート開発促進事業の一環として実施されたものである。