11:45 〜 12:00
[MIS09-11] 日本海における海底堆積物の物理性比較
キーワード:日本海、海底堆積物、物理性
日本海に分布するメタンハイドレートの大部分は、表層型とされ、ガスチムニー構造を伴うマウンドの海底面から数10mにわたって発達することが近年の研究で解明されている(松本ほか2014)。表層型メタンハイドレートは南海トラフの深層型とは多くの点で異なることから今後生産試験を行う際には、南海トラフとは全く異なる新しい開発スキームの作成が必要不可欠である。本研究は特に問題となる海底環境への影響とハイドレート集積付近での堆積物の物理的応答に焦点を置いた。表層型ハイドレートは、表層付近までハイドレートが集積しているため、生産試験の際には崩壊による海底環境の悪化が懸念されるばかりでなく構造物を海底に設置する際の地盤沈下や崩壊による基礎の軟弱化が問題となりうる。また、生産試験を行う際の基礎杭なども考える必要がある。一方で深い層でもハイドレートの回収における様々な作業が行われることから、深さごとの地盤強度などの試験を行うことで深さ分布の土壌の応力を把握することが必要不可欠である。そこで、本研究ではまず初めに隠岐周辺や上越沖のリファレンスサイトにおいて、海底面から数10mにわたる堆積物を採取し、せん断試験と貫入試験を行った。本講演では日本海のガスチムニー構造とその周辺堆積物の力学的応答について議論する。なお、本研究は経済産業省メタンハイドレート開発促進事業の一環として実施されたものである。