[M-IS11] 津波堆積物

[MIS11-P13] 高知県東洋町・四万十町・黒潮町の沿岸低地における津波堆積物調査

*谷川 晃一朗¹、宍倉 正展¹、藤原 治²、行谷 佑一¹、松本 弾¹ (1.産業技術総合研究所　活断層・火山研究部門、2.産業技術総合研究所　地質調査総合センター)

キーワード：津波堆積物、南海トラフ、東洋町、四万十町、黒潮町、高知県

高知県沿岸部は南海トラフで発生する津波に繰り返し襲われてきた．南海トラフの海溝型巨大地震の履歴は主に古文書などから明らかにされており，西暦684年の白鳳地震まで遡ることができる．しかし，江戸時代以前の歴史記録には詳細な記述が少なく，それらから地震の規模や破壊領域を推測することは難しい．このような背景から高知県沿岸の低地において津波堆積物調査を行った．
本調査は文科省の南海トラフ広域地震防災研究プロジェクトにおける津波履歴調査の一環として実施した．現地調査は2014年に東洋町，四万十町，黒潮町の海岸低地で実施し，機械ボーリングとジオスライサーを用いた掘削を行った．
東洋町生見地区では標高4～6mの海岸低地において7地点で深さ最大8mまで掘削を行い，シルト～粘土層中から4層のイベント砂層を検出した．四万十町興津地区では標高1～1.5mの海岸低地において3地点で深さ最大20mまで掘削を行い，シルト～粘土層中から5層のイベント砂層を検出した．黒潮町では入野地区と下田の口地区の標高2～4mの海岸低地において8地点で深さ最大4mまで掘削を行い，シルト～粘土層中から3層のイベント砂層を検出した．
これらの年代については現在測定中であり，珪藻化石分析結果なども含めて発表する予定である．