日本地球惑星科学連合2016年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS17] 古気候・古海洋変動

2016年5月23日(月) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 6ホール)

コンビーナ:*入野 智久(北海道大学 大学院地球環境科学研究院)、池原 実(高知大学海洋コア総合研究センター)、岡 顕(東京大学大気海洋研究所)、岡崎 裕典(九州大学大学院理学研究院地球惑星科学部門)、北場 育子(立命館大学古気候学研究センター)、北村 晃寿(静岡大学理学部地球科学教室)、佐野 雅規(総合地球環境学研究所)、多田 隆治(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、中川 毅(立命館大学)、林田 明(同志社大学理工学部環境システム学科)

17:15 〜 18:30

[MIS17-P11] インドネシア・セリブ島から採取されたサンゴコアを用いた海洋環境復元とインドネシア通過流との関係

*源田 亜衣1鈴木 淳2井上 麻夕里1 (1.岡山大学大学院自然科学研究科、2.産業技術総合研究所地質情報研究部門)

インドネシア多島海には太平洋からインド洋へ向かうインドネシア通過流(Indonesian throughflow : ITF)が流れている。この流れは、太平洋-インド洋間の熱・水収支を変え、エルニーニョ/南方振動(ENSO)といった気候現象に影響を及ぼしている可能性がある。また、この海域にはモンスーンに対応した表層流が存在する。主に1月〜3月の北西モンスーンの間には、東向きの表層流がジャワ海からマカッサル海峡南部へと低密度・低塩分の表層水を運び、マカッサル海峡表層におけるITFの輸送を制限するが、このような働きをする低塩分水は“freshwater plug”と呼ばれている。反対に、南東モンスーンの間には、西向きの表層流がマカッサル海峡南部から“freshwater plug”を取り除くため、マカッサル海峡表層おけるITFの輸送が“freshwater plug”により抑制されることはない。このような“freshwater plug”の挙動は、太平洋からインド洋表層への熱輸送を変えるため、アジアモンスーンやインド洋ダイポールに影響している可能性が指摘されている[Gordon et al., 2003]。そこで本研究では、“freshwater plug”の影響を受けるジャワ海で成長したサンゴについて、その骨格中の各種化学成分を分析し、1982-2003年までの20年間の海水温と塩分の記録を復元した。本発表では、このサンゴ骨格に基づく海洋環境復元と“freshwater plug”やITFの変動について考察を行う。