日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CC 雪氷学・寒冷環境

[A-CC28] 雪氷学

2018年5月23日(水) 10:45 〜 12:15 106 (幕張メッセ国際会議場 1F)

コンビーナ:縫村 崇行(千葉科学大学)、石川 守(北海道大学)、舘山 一孝(国立大学法人 北見工業大学、共同)、永井 裕人(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)、座長:砂子 宗次朗(名古屋大学大学院環境学研究科)

11:30 〜 11:45

[ACC28-10] 天山山脈北部地域における氷河湖の面積変動と地形環境

*奈良間 千之1ダイウロフ ミルラン2山之口 勤3田殿 武雄4 (1.新潟大学理学部理学科、2.新潟大学大学院自然科学研究科、3.リモート・センシング技術センター、4.宇宙航空研究開発機構)

キーワード:氷河湖変動、デブリ地形、天山山脈

キルギスタン北東部に位置するイシク・クル湖流域において,2013年~2016年の衛星画像解析から339コの氷河湖を6つのタイプに分類した結果,出現(appearing),消滅(vanishing),短命(short-lived)の3つのタイプの湖を多く確認した.ヒマラヤ東部地域では拡大(increasing)や縮小(decreasing)が主要な氷河湖変動であり,これらは気候環境や氷河変動に大きく影響している.一方,研究地域で多く確認された出現,消滅,短命のタイプは,単純な氷河縮小によるものではない.これらは,氷河前面に発達する埋没氷を含むデブリ地形とアイストンネルの発達,凹地の存在,凹地からの表面流路がないこと,凹地への氷河からの融氷水の供給があること,さらにはアイストンネルの開閉という地域的な地形環境が特異な変動を引き起こしていると考えられる.