日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CG 大気水圏科学複合領域・一般

[A-CG40] 陸域生態系の物質循環

2018年5月24日(木) 13:45 〜 15:15 106 (幕張メッセ国際会議場 1F)

コンビーナ:加藤 知道(北海道大学農学研究院)、平野 高司(北海道大学大学院農学研究院)、佐藤 永(海洋研究開発機構 地球表層物質循環研究分野、共同)、平田 竜一(国立環境研究所)、座長:加藤 知道(北海道大学)

14:00 〜 14:15

[ACG40-08] GOSATによって観測された太陽光励起クロロフィル蛍光の総一次生産推定への寄与と陸域生態系モデルへの適用可能性

*宮内 達也1齊藤 誠1野田 響1吉田 幸生1押尾 晴樹1伊藤 昭彦1 (1.国立研究開発法人国立環境研究所)

キーワード:太陽光励起クロロフィル蛍光、陸域生態系モデル、GOSAT、ランダムフォレスト回帰、総一次生産、炭素循環

温室効果ガス観測衛星GOSATの観測したスペクトルデータから太陽光励起クロロフィル蛍光(Solar-induced chlorophyll fluorescence: SIF)が算出可能であることが報告されて以来、SIFと総一次生産(GPP)との強い相関関係に基づいたGPP推定や陸域生態系モデルの予測精度向上に関する研究が多く行われている。2018年にはGOSAT-2が打ち上げ予定であり、SIFデータを用いて陸域生態系モデルVISITの予測精度を高め、L4プロダクト(全球温室効果ガス吸収排出量・濃度)の信頼性を向上させること求められている。そのための準備としてGOSATのSIFデータとフラックスタワー観測のGPPの比較や統計解析によってSIFがGPP推定にどれだけ寄与しうるかを調べた。本発表では、GOSATのSIFについて紹介し、フラックスデータとの比較、機械学習(ランダムフォレスト回帰)を用いたGPP推定によって調べたSIFの寄与などについて報告する。また、GOSATで観測されたSIFに含まれるランダムノイズの除去処理や実際にモデルへ用いる上での問題点についても報告する。