[M-IS16] 火山噴煙・積乱雲のモデリングとリモートセンシング

[MIS16-P03] 光学式粒径分布測定装置における降灰粒子測定精度の評価

*高岡 蓮¹、真木 雅之²、福島 誠治¹ (1.鹿児島大学、2.鹿児島大学地域防災教育研究センター)

本研究では，光学式粒径分布測定装置（以降パーシベル2と呼ぶ）における粒径の測定精度について述べる．リモートセンシングによる噴煙モニタリングや火山防災のために，火山灰粒子の粒径分布や落下速度などの刻々と変化する降灰情報が必要とされている．近年，火山内部の様子や噴煙柱・火山灰雲などの噴火現象を理解するという目的で，降水観測で用いられてきたパーシベル2を用いた降灰観測の試みがなされている．しかし，粒径測定の際にパーシベル2は，落下粒子の形状を降水粒子の形状だと仮定する．そのため降水粒子の仮定に当てはまらない形状・落下姿勢の落下粒子をパーシベル2で測定する場合，パーシベル2の測定値と実際の落下粒子の粒径の間に誤差が生じる．本研究では，火山灰粒子の形状を回転楕円体と仮定し，様々な軸比と落下姿勢の降灰粒子をパーシベル2で測定した場合に生じる最大誤差を理論的な考察および実験によって評価した．その結果，火山灰粒子の定義である粒径2mm未満の粒子において，火山灰粒子の軸比の影響による最大誤差は±15%程度，火山灰粒子の落下姿勢による最大誤差は，火山灰粒子の扁平度が増すほど増加し，例えば軸比が0.9，0.7，0.5の場合は最大誤差が20%，30%，60%程度であった．