日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-TT 計測技術・研究手法

[M-TT37] 地球化学の最前線:高度分析装置と地球惑星科学

2018年5月20日(日) 10:45 〜 12:15 A03 (東京ベイ幕張ホール)

コンビーナ:角皆 潤(名古屋大学大学院環境学研究科)、高橋 嘉夫(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、飯塚 毅(東京大学)、座長:角皆 潤(名古屋大学大学院環境学研究科)、高橋 嘉夫(東京大学)

12:00 〜 12:15

[MTT37-12] 地球惑星科学における新しい構造の模索

★招待講演

*高橋 幸弘1 (1.北海道大学・大学院理学院・宇宙理学専攻)

キーワード:地球化学、地球惑星科学、予算、分野

地球惑星科学という分野の特徴の一つは、物理、化学、生物といった基礎的な手段や思考方法を用いて、地球という対象を理解することにある。現在のJpGUのセクションや新しい科研費の小区分は、主に対象とする領域、つまり、宇宙、惑星、大気、水圏、固体、生命、人間圏によって分かれており、それらの中にはそれぞれ物理、化学、生物の視点が含まれている。こうしたまず対象による分類を行うというやり方に対して、物理、化学、生物、あるいは地球惑星科学の広い領域に適用できる新しい計測、解析手段によって分る方法もありうる。ただ、この両方の分類を全体に適用するのは、それによって生じる煩雑さを考えると必ずしも効果的・現実的とはいえない。このような対象領域と手段手法の二重性をどうマネジメントしていくかが、地球惑星科学にとって本質的な課題であると考える。最終的に目指すところは、個々の対象領域や手段手法の存在意義の確保ではなく、ダイナミックに変動する学問領域あるいは手法の中で、地球惑星科学に身を置く全ての研究者が最大限に活躍できる、シンプル、かつ柔軟で多様性のあるコミュニティの構築や、効果的な予算配分を実現していくことである。こうした視点で、地球化学分野を例にとり、他の分野と比較しつつ、その現状を検証することを試みる。