日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] 口頭発表

セッション記号 U (ユニオン) » ユニオン

[U-07] FutureEarth-GRPsによる地球環境変化研究の統合

2018年5月20日(日) 13:45 〜 15:15 103 (幕張メッセ国際会議場 1F)

コンビーナ:石井 励一郎(総合地球環境学研究所)、安成 哲三(総合地球環境学研究所)、谷口 真人(総合地球環境学研究所、共同)、Hein Mallee(Research Institute for Humanity and Nature)、座長:谷口 真人石井 励一郎Mallee Hein

14:45 〜 15:00

[U07-04] SOLAS JAPANの活動

★招待講演

*西岡 純1谷本 浩志2植松 光夫3SOLAS小委員会 メンバー (1.北海道大学低温科学研究所、2.国立環境研究所、3.東京大学大気海洋研究所)

キーワード:大気、海洋、海洋・大気間の物質相互作用研究計画 (SOLAS)

海洋・大気間の物質相互作用研究計画 (SOLAS: Surface Ocean-Lower Atmosphere Study)は、海洋と大気の境界を中心に化学、物理、生物分野の研究を展開するIGBPの新しいコアプロジェクトとして,2004に立ち上がった。その後、国際的にも我が国においても、海洋・大気間の物質循環過程の研究活動が活発に実施されてきた。2015以降は、Future Earth、the World Climate Research Programme (WCRP)、the Scientific Committee on Oceanic Research (SCOR)の傘下にて活発な活動を維持し、2015-2025年のScience Planが公表されている。このScience Planでは大気・海洋間の境界領域に跨る分野の物理的また生物地球化学的な未解明な点を科学的なアプローチをもって理解することを目指している。またこのフェーズでは、人間活動が与える大気・海洋間のプロセスの変化も含めて地球環境の将来予測への統合研究や、社会科学との連携へ発展させることを目指している。Science Planの内容は主に次の5つのコアテーマと統合研究にまとめられている。

コアテーマ 1: Greenhouse gases and the oceans
コアテーマ 2: Air-sea interface and fluxes of mass and energy
コアテーマ 3: Atmospheric deposition and ocean biogeochemistry
コアテーマ 4: Interconnections between aerosols, clouds, and marine ecosystems
コアテーマ 5: Ocean biogeochemical control on atmospheric chemistry.

また統合研究の中に重点エリアとしてupwelling systems, the polar oceans, and coastal waters、重点課題としてevaluate the environmental efficacy and impacts of geoengineering proposals, policy decisionsなどが含まれる。

これまで国内小委員会は、国内SOLAS関連の研究を取りまとめ、推進し、国際コアプロジェクトと連携することで、地球環境の将来予測への統合研究へ発展させてきた。今後も、この分野の研究において我が国が先導的役割を果たす実施体制を構築し、国内での他分野連携や国際連携を推進する具体的方策を審議するために第24期SOLAS小委員会を設置した。また2019年にはSOLAS-Open Science Conferenceを誘致することに成功し、実施に向けた準備を進めている。

参考文献:Brévière, E. and the SOLAS Scientific Steering Committee (eds.) (2016): SOLAS
2015-2025: Science Plan and Organisation. SOLAS International Project Office,
GEOMAR Helmholtz Centre for Ocean Research Kiel, Kiel, 76 pp.