日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-AS 大気科学・気象学・大気環境

[A-AS06] ミクロスケール気象の稠密観測・数値モデリングの新展開

2019年5月26日(日) 13:45 〜 15:15 301A (3F)

コンビーナ:伊藤 純至(東京大学大気海洋研究所)、荒木 健太郎(気象研究所)、古本 淳一(京都大学生存圏研究所)、東 邦昭(京都大学生存圏研究所・メトロウェザー株式会社)、座長:伊藤 純至(東京大学)、荒木 健太郎(気象研究所)

14:45 〜 15:00

[AAS06-05] 都市キャノピースキームSPUCを用いた数値シミュレーションによる首都圏の大気境界層構造の解析

*清野 直子1 (1.気象研究所)

キーワード:都市化、数値シミュレーション、大気境界層

都市化が降水に及ぼす影響を明らかにするため、単層キャノピースキームSPUCを導入した気象庁非静力学モデルによる感度実験を行った結果、都心付近の1℃程度の高温化が10%の降水量増加をもたらすことが示唆されている(Seino et al, 2018)。都市化影響をさらに詳しく調べるため、モデルのキャノピー物体温度初期値にSPUCによる予報結果を反映できるサイクル化の手法を導入し、都心部の夏季の気温再現性が向上することがわかった。いっぽう、冬季の都内におけるゾンデ特別観測事例で比較したところ、日中の大気境界層高度はモデルに過小評価の傾向が見られた。空間的により詳細な都市効果の把握に向け、検証事例を増やし再現性の確認を進める予定である。