日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-AG 応用地球科学

[M-AG39] 海洋地球インフォマティクス

2019年5月30日(木) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:坪井 誠司(海洋研究開発機構)、高橋 桂子(国立研究開発法人海洋研究開発機構)、金尾 政紀(国立極地研究所)、松岡 大祐(海洋研究開発機構)

[MAG39-P02] GANSEKI:JAMSTEC深海底岩石サンプルキュレーションの長期的展望

*富山 隆將1 (1.海洋研究開発機構)

キーワード:岩石サンプル、キュレーション、海洋地質、データベース

海洋研究開発機構(JAMSTEC)では,2008年に施行された現行のJAMSTECデータポリシー[1]の下で取得されたデータやサンプルで,保管期間が10年を超えるものが現れ始めた.これは,JAMSTECの航海で取得されたデータ・サンプルに義務付けられた最低限の保管期間として定義された期間でもある.JAMSTECの岩石サンプルキュレーション体制は,その長期的な継続を考える上で,ひとつの節目を迎えている.
JAMSTEC岩石サンプルキュレーションは,設立以来,変革を繰り返してきた.保管スペースについては,これまで1~2年おきに移動型倉庫の増設・更新を繰り返していたが,2019年,仮設とはいえ,ようやく屋内の固定倉庫への移動が叶った.しかし,永久保管先となるサンプル保管棟の建設についてはいまだ検討中の段階にとどまっており,数年以内にサンプルの減量などによるスペース確保の対策が避けられない状態である.データ管理においては,岩石サンプル専用のデータベース”GANSEKI”が数回の改修のち,その公開系が2017年にDARWINデータベース[2]に統合された.一方,管理系については,岩石・堆積物コア・生物サンプルのデータベース統合が進められている.岩石について公開可能なデータ種は多様化が進められ,化学分析データ,年代情報,薄片写真,表面拡大写真,文献情報などが掲載可能なほか,今後はさらに多くのデータ種が掲載可能になるものと思われる.
これまでのJAMSTEC岩石サンプルキュレーションは,JAMSTEC独自のデータポリシー[1]の下で実施されて来た.しかし,JURCAOS-AORI-JAMSTEC共催の全国共同利用航海[3]の実施が始まる2019年度は,新たに併存するデータポリシーへの対応が迫られている.本発表では,JAMSTEC岩石サンプルキュレーションについて,これまでの軌跡と現状の課題を俯瞰しつつ,今後の展望について議論する.

参考: [1] 海洋研究開発機構 (2007), 「データ・サンプルの取り扱いに関する基本方針」, https://www.jamstec.go.jp/j/database/data_policy.html. [2] 海洋研究開発機構, 「JAMSTEC航海・潜航データ・サンプル探索システム(DARWIN)」, http://www.godac.jamstec.go.jp/darwin/j. [3] 東京大学大気海洋研究所, 「共同利用」, http://www.aori.u-tokyo.ac.jp/coop/.