[MIS07-P05] L-アラニンを起点とするホモキラルペプチドの生成過程モデル
キーワード:L-アラニン、ペプチド、ホモキラリティー
L-AlaにOHラジカルが作用するとβ位に生成したラジカル(・CH2-)にアルキル化(・Rが結合)が進行し,他のアミノ酸が形成されるのに加え,L型の立体構造は保持されると考えられる。OHラジカルによるアラニン(Ala)上のαとβ炭素上反応速度定数は,k=1.7x107(M-1s-1)とk=6.21x107(M-1s-1)であり,L-Alaではβ炭素の方がα炭素より約3.7倍反応性が高かった。これはβ炭素のアルキル化がラセミ化より速く,アルキル化による他のアミノ酸生成の過程でもL-Alaの立体配置が保持されることを示す。同様なアルキル化反応がオリゴペプチドに対して起こる場合,エピ化よりも置換基の変換が速く進行することを支持している。このような現象がホモキラルペプチドの生成にどのようにつながるかを考察した。