[SSS16-P08] 地震後余効変動における線形および非線形粘弾性効果の検討
キーワード:レオロジー、余効変動、粘弾性緩和
2011年東北地方太平洋沖地震の発生後、海溝近くの震源域に設置されたGPS/Acoustic観測点において地表面変位の時間発展データが得られ、地震直後の余効変動メカニズムにおける粘弾性緩和の寄与に関する議論が発展されてきた。しかし、地殻内の粘弾性モデルとして、Maxwell粘弾性体やBurgers粘弾性体、非線形粘弾性体などが想定され、どのレオロジーが適当であるかについて、現状はっきりとした知見は得られていない。
Barbot and Fialko (2010)は、地震の発生または何らかの応力擾乱によって生じる粘弾性緩和、アフタースリップ、及び、間隙弾性反発の時間発展を統一的に計算する理論を構築した。本研究では、この理論に基づき、地震の発生に伴う余効変動を計算する数値計算プログラムを作成した。具体的な手順は以下の通り。(1) Okada(1992)に基づいて地震時の変位場、弾性応力場を算出する。(2) タイムステップ毎に、地殻内部の弾性応力場によって各余効変動メカニズムが引き起こすモーメントデンシティの時間変化を解析的に計算する。(3) そのモーメントデンシティの時間変化が引き起こす地殻内の速度場及びひずみ速度場を算出する。(4)速度及びひずみ速度を時間積分することで、次のタイムステップにおける地殻内弾性応力場の計算を行う。この手法によって、粘弾性緩和については、線形粘弾性体に限らず非線形粘弾性体のレオロジーを用いた計算を行うことが可能である。
本発表では、作成した数値計算プログラムを用い、ストライク・スリップ及びディップ・スリップによって生じる余効変動について、様々なレオロジーを仮定して計算を行う。レオロジー構造やパラメータ値を変化させて得られた計算結果を比較し、余効変動時の観測データの特徴をよく再現するレオロジーについて検討する。また、2011年東北沖地震等の実際の地震に対する観測データとの比較も行いたい。
Barbot and Fialko (2010)は、地震の発生または何らかの応力擾乱によって生じる粘弾性緩和、アフタースリップ、及び、間隙弾性反発の時間発展を統一的に計算する理論を構築した。本研究では、この理論に基づき、地震の発生に伴う余効変動を計算する数値計算プログラムを作成した。具体的な手順は以下の通り。(1) Okada(1992)に基づいて地震時の変位場、弾性応力場を算出する。(2) タイムステップ毎に、地殻内部の弾性応力場によって各余効変動メカニズムが引き起こすモーメントデンシティの時間変化を解析的に計算する。(3) そのモーメントデンシティの時間変化が引き起こす地殻内の速度場及びひずみ速度場を算出する。(4)速度及びひずみ速度を時間積分することで、次のタイムステップにおける地殻内弾性応力場の計算を行う。この手法によって、粘弾性緩和については、線形粘弾性体に限らず非線形粘弾性体のレオロジーを用いた計算を行うことが可能である。
本発表では、作成した数値計算プログラムを用い、ストライク・スリップ及びディップ・スリップによって生じる余効変動について、様々なレオロジーを仮定して計算を行う。レオロジー構造やパラメータ値を変化させて得られた計算結果を比較し、余効変動時の観測データの特徴をよく再現するレオロジーについて検討する。また、2011年東北沖地震等の実際の地震に対する観測データとの比較も行いたい。