日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-GG 地理学

[H-GG02] 自然資源・環境の利用・変化・管理:社会科学と地球科学の接点

2019年5月26日(日) 15:30 〜 17:00 102 (1F)

コンビーナ:大月 義徳(東北大学大学院理学研究科地学専攻環境地理学講座)、上田 元(一橋大学・大学院社会学研究科)、古市 剛久(北海道大学理学研究院)、佐々木 達(宮城教育大学)、座長:大月 義徳上田 元

16:45 〜 17:00

[HGG02-06] 宮城県大崎市における世界農業遺産の認定とその地域的影響

*佐々木 達1 (1.宮城教育大学)

キーワード:世界農業遺産、水田農業、大崎市、持続可能性

世界農業遺産とは,世界的に重要かつ伝統的な農林水産業を含む地域を国際連合食糧農業機関(FAO)が認定する制度であり,世界で21ヶ国54地域,日本では11地域が認定されている(農林水産省)。
 本研究で対象とする宮城県大崎市は,平成29年に大崎地域1市4町(大崎市、色麻町、加美町、涌谷町、美里町)が東北初となる世界農業遺産(持続可能な水田農業を支える『大崎耕土』の伝統的水管理システム)に認定された。この認定により伝統的な水管理システムや農業が育む文化,生物多様性,美しい農村の景観などの重要性を再認識し,次世代へ継承されることが期待されている。大崎地域は水資源が豊富であることから古くから稲作農業が盛んであり,東部の平場水田地帯から西部の山間地帯まで自然条件を活用した良質米産地としての地位を築いてきた。しかし,稲作の経営条件は1990年代後半以降の急速な米価下落と農業従事者の高齢化によって大きく変化しつつある。世界農業遺産の認定は,持続可能な水田農業が評価されたにもかかわらず,その農業を持続的なものにしていく仕組みは存在しているのか。本報告では,世界農業遺産が地域の農業とくに自然資源の利用と管理にどのような影響をもたらす可能性があるのかを議論したい。