13:45 〜 15:15
[O03-P13] 家具用免震装置の開発
キーワード:地震、免震装置、家具
近年、地震対策として、免震装置が注目を集め多用されている。免震装置は高層ビルのような背の高い建物に対して特にその効果を発揮する。それならば、建物と同じように、背の高い家具にも良い効果を発揮するのではないかと考え、この研究を始めることとなった。
寺屋・他(2015)によると、表1で示される2つの本棚には、床材がじゅうたんの場合は0.6Hzと1.0Hzで転倒、フローリングの場合は0.6Hzで加速度が大きくなるという傾向があった。つまり、0.6Hzから1.0Hzが背の高い家具が転倒しやすい周波数であることがわかる。
本研究では、積層ゴム構造という柔らかい素材と硬い素材とを層状に重ねたものを使用した。家具に伝わる揺れのうち、家具が転倒しやすい周波数の揺れを抑えることができれば、家具の転倒を防止できるのではないかと考えた。背の高い家具が転倒しやすい周波数の揺れを抑えることができる、免震装置の素材を見つけることを本研究の目的とする。
表1に示される2種類の免震装置は、今回実験で使ったものである。この免震装置を4つ並べて設置し、その上に背の高い家具の模型を設置した(図1)。
図1の3台のスマートフォンで、アプリ「加速度ロガー」(Naoki Kisara)を用いて加速度を計測した。図1の矢印の方向に実験装置を動かし、記録したデータをそれぞれフーリエ変換し、免震装置を使用していない方に対する、使用している方の揺れの大きさの倍率を示すグラフを作った(図2)。
図2において、ある周波数の倍率が1以上の時は+1、1より小さい時は-1を代入することで、免震装置によって揺れが大きくなったのか、もしくは小さくなったのかをその倍率に限らず、同じ価値として扱った。図3はこの方法でそれぞれ30回ずつ計測し、周波数ごとに代入した値の総和を求めそれをグラフにしたものである。本研究では、これをSS法(Sign Sum)と呼ぶ。
発泡P.Pとアルミの場合、1.0Hzまでのところで相対的に揺れの大きさが小さくなっている。本棚が転倒しやすい周波数はこの中に位置するので、この組み合わせ場合1800mmほどの高さがあるものに対して効果があると言える。
今後は素材の硬度などの観点からより良いものを探していきたい。
引用文献:寺屋充彦・田鍋憲一・尾嵜純,2015,長周期地震動等に伴う室内安全に関する検証(その1),消防技術安全所報,52
寺屋・他(2015)によると、表1で示される2つの本棚には、床材がじゅうたんの場合は0.6Hzと1.0Hzで転倒、フローリングの場合は0.6Hzで加速度が大きくなるという傾向があった。つまり、0.6Hzから1.0Hzが背の高い家具が転倒しやすい周波数であることがわかる。
本研究では、積層ゴム構造という柔らかい素材と硬い素材とを層状に重ねたものを使用した。家具に伝わる揺れのうち、家具が転倒しやすい周波数の揺れを抑えることができれば、家具の転倒を防止できるのではないかと考えた。背の高い家具が転倒しやすい周波数の揺れを抑えることができる、免震装置の素材を見つけることを本研究の目的とする。
表1に示される2種類の免震装置は、今回実験で使ったものである。この免震装置を4つ並べて設置し、その上に背の高い家具の模型を設置した(図1)。
図1の3台のスマートフォンで、アプリ「加速度ロガー」(Naoki Kisara)を用いて加速度を計測した。図1の矢印の方向に実験装置を動かし、記録したデータをそれぞれフーリエ変換し、免震装置を使用していない方に対する、使用している方の揺れの大きさの倍率を示すグラフを作った(図2)。
図2において、ある周波数の倍率が1以上の時は+1、1より小さい時は-1を代入することで、免震装置によって揺れが大きくなったのか、もしくは小さくなったのかをその倍率に限らず、同じ価値として扱った。図3はこの方法でそれぞれ30回ずつ計測し、周波数ごとに代入した値の総和を求めそれをグラフにしたものである。本研究では、これをSS法(Sign Sum)と呼ぶ。
発泡P.Pとアルミの場合、1.0Hzまでのところで相対的に揺れの大きさが小さくなっている。本棚が転倒しやすい周波数はこの中に位置するので、この組み合わせ場合1800mmほどの高さがあるものに対して効果があると言える。
今後は素材の硬度などの観点からより良いものを探していきたい。
引用文献:寺屋充彦・田鍋憲一・尾嵜純,2015,長周期地震動等に伴う室内安全に関する検証(その1),消防技術安全所報,52