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[O06-04] 2018年7月豪雨を事例とした無料衛星リモートセンシングデータの役割
★招待講演
キーワード:衛星、洪水、合成開口レーダ
2018年7月に西日本を中心とした豪雨災害が発生した.災害直後から,様々なタイプの空中写真や衛星リモートセンシング(RS)画像が撮影された.本発表では,この中でも特に広島県周辺の陸域および沿岸海域において,無料で入手できる光学・合成開口レーダ(SAR)データを解析した地表面解析結果とその役割について紹介される.このうち,10~30mの解像度を持つLANDSAT-8とSentinel-2のような衛星光学センサは,災害前後の画像の差分を利用することにより,広域の土砂崩れや河川の土砂堆積の様子を非常にわかりやすく住民に伝えることができた.一方,このような光学センサは,雲の影響を受けるため,迅速な被害推定には向かなった,そこで,雲の影響をうけない,Sentinel-1のようなSARセンサを使って,光学センサと同様な方法で差分画像が作成された.この作業によって,特に浸水域の抽出が迅速に行われた.今後は,これらの作業をマニュアル化し,衛星データさえダウンロードされれば,誰でも同様の解析が迅速にできるソフトを作る予定である.そして,このようなマニュアルとソフトを使ったデータ処理講習を定期的に地元の行政機関や建設系のコンサルタントに実施することにより,災害時におけるRSデータの早期活用を目指したい.