16:00 〜 16:15
[O06-09] 災害廃棄物管理の現状と課題-近年の災害からの教訓-
★招待講演
キーワード:災害廃棄物、仮置き場、分別・処理、処理支援ネットワーク
巨大な津波により甚大な被害を受けた沿岸部を中心に、大量の災害廃棄物が発生した東日本大震災から8年が経過し、この間、南海トラフ地震や直下地震などを想定におきながら、廃棄物処理法、災害対策基本法の一部が改正された。巨大災害の発生時においても、災害廃棄物の適正な処理と再生利用、円滑かつ迅速な処理が確保されるよう、国、地方自治体、民間事業者などの関係主体の役割と連携強化が示され、とくに、処理の方針や体制について、平時から事前の備えを強化すべきことが強調された。行政、民間事業者、専門家からなる災害廃棄物処理支援ネットワーク(D.Waste-Net)の組織化や災害廃棄物の分別・処理のマニュアル化は、その後発生した災害時にも一定の貢献を果たしたが、事前の備え、発災時初期の情報伝達、仮置き場の確保などにおいて、なお課題を残している。東日本大震災以前に水害廃棄物の処理計画が策定されていながら、震災後の改訂時には地震、津波を主に想定していた事例もあり、近年の大災害から得た教訓を、風水害をはじめとする地震・津波以外の災害への備えにも適切に活用することが必要である。