日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] 口頭発表

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[O-06] 激甚化する風水害にどう対応するか

2019年5月26日(日) 15:30 〜 17:00 103 (1F)

コンビーナ:松本 淳(首都大学東京大学院都市環境科学研究科地理環境科学専攻)、高橋 幸弘(北海道大学・大学院理学院・宇宙理学専攻)、和田 章(東京工業大学)、座長:和田 章(東京工業大学)、高橋 幸弘(北海道大学)

16:30 〜 16:45

[O06-11] 激甚化する水害における健康危機と看護

★招待講演

*神原 咲子1山本 あい子2 (1.高知県立大学、2.四天王寺大学)

キーワード:洪水、健康危機、看護

昨今、激甚水害は、今や日本どこで起こっても不思議ではなく全ての地域社会で備える必要がある。日本の保健医療対応は災害=地震を想定し、直前の激甚災害の教訓に基づいた救急救護を中心とした画一的なマニュアルや対応の傾向があるが、水害の特徴は、瞬時に起きるものではなく、夏場に多発し、高温多湿、豪雨、台風などが断続的に伴う。発災時に避難する余地があり、生死が分かれる生存者に重症患者が多くない。建物の倒壊はないものの、被災家屋、家電がほぼ使えなり、避難移住も含め生活環境が悪化する。生活衛生の悪化、感染症、熱中症のリスクが高まり、農作物被害、アクセス途絶に加えて食糧不足する。更には食中毒予防のための限られた食材・調理法による栄養の偏りも見られる。また長期に渡る生活の変化は生活習慣病、精神疾患も引き起こす。これらの健康被害は、包括的な環境改善と全人的なケアによってリスク削減が可能であり、学際的で汎化性を見据えた議論が望まれる。