日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 O (パブリック) » パブリック

[O-08] ジオパークで地球活動をイメージする -ジオ多様性の大切さを知ろう-

2019年5月26日(日) 15:30 〜 17:00 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:松原 典孝(兵庫県立大学大学院 地域資源マネジメント研究科)、市橋 弥生(佐渡ジオパーク推進協議会)、小原 北士(Mine秋吉台ジオパーク推進協議会)、大野 希一(島原半島ジオパーク協議会事務局)

[O08-P30] 平成29年再認定審査および平成30年7月豪雨を受けての四国西予ジオパークにおける取り組み

*榊山 匠1土居 文人1宇都宮 弘志郎1高橋 司1 (1.四国西予ジオパーク推進協議会)

キーワード:ジオパーク、西予市、再認定、平成30年7月豪雨

四国西予ジオパークでは、一昨年前に日本ジオパーク委員会による再認定審査を受け、平成29年12月22日に再認定された。再認定後も積極的なジオパーク活動を行っていたが、平成30年7月豪雨に見舞われ、西予市でも多数の斜面崩壊や家屋の浸水被害が生じ、6名の死者を出した。四国西予ジオパーク内においても23ヶ所あるジオサイトのうち5カ所が被害を受け、2ヶ所は現在でも一般の観光客の立ち入りを制限する状態が続いている。



 このような事態を受けて、四国西予ジオパーク推進協議会ではより多くの人たちに、自分たちが住む土地の成り立ちへの一層の関心を向けるべく、「せいよ自然と暮らしのカレッジ」と題した講座を開催した。そこでは、郷土史や地形の成り立ちに詳しい講師とともにフィールドワークを行ったり、ガイドの養成やジオパークの活用方法について学ぶ講座を実施してきた。とりわけフィールドワークにおいて、参加者は普段から慣れ親しんだ地域の景色を見ながら土地の成り立ちの解説を受けることで、これまでと異なる「気付き」を得ることができた。また学校教育との連携においては、被災したジオサイトの学校見学を受け入れ、一年を通じたジオパーク学習を実施した学校で題材の一つとして取り扱った。



 また指摘事項に対する取り組みとして、平成30年度の活動において一般観光客にも興味を持ってもらえるようなストーリーを模索している。協議会内の各部会やジオガイドネットワークの定例会においてキーワードを共有するとともに、カレッジにおける参加者とも検討を重ねている。さらに四国西予ジオパークガイドブックの作成や、市内の事業所と連携したジオパーク応援店の設置、新たな特産品のジオブランド化など、産業や商業との連携も実を結びつつある。一方で、行政としての災害対応とジオパーク推進室としての業務遂行の両立が困難であるという課題にも直面した。今後はこうした課題をJGNで共有していくこととともに、新たに製作した防災教材を活用して、自分たちが住んでいる地域の成り立ちに関心を向ける活動を充実させていく予定である。