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[SVC35-11] 東・東南アジア地域の火山の大規模火砕流,降下テフラ,カルデラと犠牲者数
キーワード:大規模火砕流、降下テフラ、カルデラ、犠牲者数、ハザード
カルデラ形成を伴う大規模噴火では,噴出源から数10〜100 km以上離れた地域に様々な影響・被害を与えることが多い.大規模噴火による火砕流や降下テフラの影響範囲,カルデラの形状は,今後の大規模カルデラ噴火の影響範囲を予測する上で重要な基礎データとなる.そこで,東・東南アジア地域の火山について,大規模火砕流堆積物及び降下テフラの分布,カルデラの形状,火山イベントによる犠牲者数を取りまとめた.
産総研地質調査総合センターでは,G-EVER推進チームが中核となり,アジア太平洋地域のハザード関連情報の整備として,東・東南アジア地域の研究機関と連携し,震源域,震源,活断層,津波,地震犠牲者数,大規模火砕流,大規模降下テフラ,カルデラ,火山イベントの犠牲者数の整備を進めている.2016年には,1000万分の1東アジア地域地震火山災害情報図 (Takarada et al., 2016)として出版した.これらのデータは,WebGISの国際標準形式により,アジア太平洋地域地震火山ハザード情報システム(http://ccop-geoinfo.org/G-EVER/)で閲覧検索が可能であり,ほとんどのデータはGIS形式のファイルをダウンロードできる.その後,火山については,大規模火砕流及び降下テフラの分布,カルデラの形状,火山イベントによる犠牲者数についてより詳細なデータの整備を進め,2019年に公開に至った.
大規模火砕流堆積物: 東・東南アジア地域に分布する代表的なVEI6以上の大規模火砕流堆積物の分布を取りまとめた.ここでは,トバ7.4万年前噴火,白頭山946年噴火,タンボラ1815年噴火,リンジャニ・サマラス1257年噴火,阿蘇4噴火,阿蘇3噴火,姶良-入戸噴火,鬼界-幸屋噴火,鬼界-長瀬噴火,阿多噴火,洞爺噴火,支笏4.6万年前噴火,屈斜路I噴火,屈斜路IV噴火,クラカタウ1883年噴火,ラバウル7世紀噴火,ピナツボ1991年噴火,箱根-東京噴火,十和田-八戸噴火による19の火砕流堆積物について取りまとめている.
大規模降下テフラ: 東・東南アジア地域に分布する代表的なVEI6以上の大規模降下テフラの分布限界や等層厚線を作成した.ここでは,国内の大規模噴火の他,トバ7.4万年前噴火,白頭山946年噴火,タンボラ1815年噴火,リンジャニ・サマラス1257年噴火,ロングアイランド1660年噴火,ウィトリ-キンベ2噴火,ウルルン-隠岐噴火,ウルルン-大和海盆噴火など24の降下テフラを取りまとめている.
カルデラ: 東・東南アジア地域に分布する代表的なVEI6以上のカルデラの形状を取りまとめた.トバ,白頭山,タンボラ, 阿蘇,姶良,鬼界,阿多,洞爺,支笏,阿寒,屈斜路,タール,クラカタウ,リンジャニ・サマラス,ピナツボ,ラバウル,ロングアイランド,ダカタウア,ウィトリ,ビリーミッチェル,十和田,摩周,萌消の23のカルデラを取りまとめている.
犠牲者数: 東・東南アジア地域に分布する代表的な活火山の西暦1400年以降の火山噴火イベントによる5名以上の犠牲者数とその要因(火砕流,岩屑なだれ,降下火砕物及び噴石,火山泥流,津波,火山ガス,その他関連事象)を取りまとめた.ここでは,パプアニューギニアの9火山13イベント,ソロモン諸島の2火山3イベント,バヌアツの3火山6イベント,インドネシアの27火山74イベント,フィリピンの6火山20イベント,日本の21火山 36イベント,合計67火山,152イベントについて取りまとめている.
これらのデータは,GISデータとして整備されている.地質調査総合センターの研究資料集で,詳細情報とGISデータが公開されている.また,アジア太平洋地域地震火山ハザード情報システム上で,閲覧・検索,データダウンロードが可能である.大規模火山の噴火イベントの影響評価等多方面に利用できる.
図: ピナツボ火山1991年噴火の火砕流堆積物の分布とカルデラの形状 (地形図はArcGISのベースマップを使用).
産総研地質調査総合センターでは,G-EVER推進チームが中核となり,アジア太平洋地域のハザード関連情報の整備として,東・東南アジア地域の研究機関と連携し,震源域,震源,活断層,津波,地震犠牲者数,大規模火砕流,大規模降下テフラ,カルデラ,火山イベントの犠牲者数の整備を進めている.2016年には,1000万分の1東アジア地域地震火山災害情報図 (Takarada et al., 2016)として出版した.これらのデータは,WebGISの国際標準形式により,アジア太平洋地域地震火山ハザード情報システム(http://ccop-geoinfo.org/G-EVER/)で閲覧検索が可能であり,ほとんどのデータはGIS形式のファイルをダウンロードできる.その後,火山については,大規模火砕流及び降下テフラの分布,カルデラの形状,火山イベントによる犠牲者数についてより詳細なデータの整備を進め,2019年に公開に至った.
大規模火砕流堆積物: 東・東南アジア地域に分布する代表的なVEI6以上の大規模火砕流堆積物の分布を取りまとめた.ここでは,トバ7.4万年前噴火,白頭山946年噴火,タンボラ1815年噴火,リンジャニ・サマラス1257年噴火,阿蘇4噴火,阿蘇3噴火,姶良-入戸噴火,鬼界-幸屋噴火,鬼界-長瀬噴火,阿多噴火,洞爺噴火,支笏4.6万年前噴火,屈斜路I噴火,屈斜路IV噴火,クラカタウ1883年噴火,ラバウル7世紀噴火,ピナツボ1991年噴火,箱根-東京噴火,十和田-八戸噴火による19の火砕流堆積物について取りまとめている.
大規模降下テフラ: 東・東南アジア地域に分布する代表的なVEI6以上の大規模降下テフラの分布限界や等層厚線を作成した.ここでは,国内の大規模噴火の他,トバ7.4万年前噴火,白頭山946年噴火,タンボラ1815年噴火,リンジャニ・サマラス1257年噴火,ロングアイランド1660年噴火,ウィトリ-キンベ2噴火,ウルルン-隠岐噴火,ウルルン-大和海盆噴火など24の降下テフラを取りまとめている.
カルデラ: 東・東南アジア地域に分布する代表的なVEI6以上のカルデラの形状を取りまとめた.トバ,白頭山,タンボラ, 阿蘇,姶良,鬼界,阿多,洞爺,支笏,阿寒,屈斜路,タール,クラカタウ,リンジャニ・サマラス,ピナツボ,ラバウル,ロングアイランド,ダカタウア,ウィトリ,ビリーミッチェル,十和田,摩周,萌消の23のカルデラを取りまとめている.
犠牲者数: 東・東南アジア地域に分布する代表的な活火山の西暦1400年以降の火山噴火イベントによる5名以上の犠牲者数とその要因(火砕流,岩屑なだれ,降下火砕物及び噴石,火山泥流,津波,火山ガス,その他関連事象)を取りまとめた.ここでは,パプアニューギニアの9火山13イベント,ソロモン諸島の2火山3イベント,バヌアツの3火山6イベント,インドネシアの27火山74イベント,フィリピンの6火山20イベント,日本の21火山 36イベント,合計67火山,152イベントについて取りまとめている.
これらのデータは,GISデータとして整備されている.地質調査総合センターの研究資料集で,詳細情報とGISデータが公開されている.また,アジア太平洋地域地震火山ハザード情報システム上で,閲覧・検索,データダウンロードが可能である.大規模火山の噴火イベントの影響評価等多方面に利用できる.
図: ピナツボ火山1991年噴火の火砕流堆積物の分布とカルデラの形状 (地形図はArcGISのベースマップを使用).