日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 U (ユニオン) » ユニオン

[U-08] 日本地球惑星科学連合の将来に向けた大会参加者からの意見と提言

2019年5月30日(木) 13:45 〜 15:15 101 (1F)

コンビーナ:浜野 洋三(神戸大学海洋底探査センター)、田近 英一(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、和田 浩二(千葉工業大学惑星探査研究センター)、隅田 育郎(金沢大学 理工研究域 地球社会基盤学系)、座長:和田 浩二(千葉工業大学惑星探査研究センター)、隅田 育郎

14:15 〜 14:27

[U08-03] インターフェースとしての地球生命科学

*掛川 武1 (1.東北大学大学院理学研究科地学専攻)

キーワード:地球、生命

地球生命科学セクションは、他のセクションに比べて様々な面で特異的である。地球生命科学セクションには地震観測や宇宙探査、気候変動など国主導のプロジェクトのベースがない。そのためにセクションの中で中心的な柱を立てにくい。さらに地球生命科学セクションのカバーする学術的内容と他のセクションの内容がオーバラップするために、独立して存在する意義がわかりにくくなっている。例えばアストロバイオロジーは地球生命科学セクションでカバーすべき内容であるが、宇宙惑星科学セクションとも内容がオーバーラップしている。また現生生物から46億年までの遡った大気、有機化学まで扱い、膨大なタイムスケールがあることから、地球生命科学セクション中でも科学的コミュニケーションが難しい。古生物学のような古典的学問とアストロバイオロジーのような新興学問が混在し主役や将来的リーディング分野が見えない。その一方でAGUなどでは地球生命関連のセクションの存在は大きく、JPGUと異なる様相を見せている。将来的な大学や科研費の構造変化を考えると、地球生命科学セクションの成長は見込めない。地球生命セクションは独立性を追求するのでなく積極的に他のセクションと共同作業(共同セッションの提案など)を積極的に行うことが重要であると考える。AGUのように生物や農学、地球工学にウィングを伸ばすことは可能であろうが、日本では会員増などはまず見込めないだろう。