JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CG 大気海洋・環境科学複合領域・一般

[A-CG52] Large Ensemble Modeling Approaches as Tools for Climate and Impacts Research

コンビーナ:Rodgers Keith Bradley(IBS Center for Climate Physics)、見延 庄士郎(北海道大学大学院理学研究院)、塩竈 秀夫(国立環境研究所地球環境研究センター)、水田 亮(気象庁気象研究所)

[ACG52-P02] 60km大気モデル大規模アンサンブルにおける極端降水将来変化とその再現期間による違い

*水田 亮1遠藤 洋和1 (1.気象庁気象研究所)

キーワード:極端現象、地球温暖化

気候モデルで予測される極端降水の増加率は、再現期間の長い(頻度の小さい)極端降水ほど、また短時間降水ほど、増加が大きい。これらの関係を理解するため、大規模アンサンブル気候実験d4PDFのデータを用いて極端降水の増加に対する熱力学的寄与と力学的寄与を調べた。気温変化に伴う熱力学的寄与はいずれの場合でも飽和水蒸気量の増加(約7%/℃)に近い変化だが、格子スケールの上昇流変化に伴う力学的寄与が再現期間・時間スケール間で異なる。100年に1度の降水が発生した日でコンポジットすると、主に対流圏中上層で上昇流が増加し、それに対応して中層からやや下で水蒸気収束量の増加が見られた。これは水蒸気増加によって潜熱解放が増加することが力学的寄与に役割を果たしていることを示唆している。