JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-OS 海洋科学・海洋環境

[A-OS18] 陸域と海域をつなぐ水循環と、沿岸域の海洋循環・物質循環

コンビーナ:木田 新一郎(九州大学・応用力学研究所)、田中 潔(東京大学)、山崎 大(東京大学生産技術研究所)、速水 祐一(佐賀大学)

[AOS18-08] 加古川流域での水資源開発による河川流量と河口域の海域環境への影響

*大嶌 巌1 (1.水資源を考える会)

キーワード:水資源開発、加古川流域、加古川大堰、河川流量の減少、河口域の塩分の上昇

兵庫県で最大の一級河川である加古川の下流において,1989年に加古川大堰の運用が開始され,1992年には上流・中流域のダム群と連携した本格運用が開始された.そこで,ダム・河口堰の建設・運用による水資源開発によって加古川の河川流量がどのように変化したのかを定量的に評価し,加古川河口域の海域環境への影響についても検討した.その結果,本格運用後には,平均降水量の時に加古川から海域へ直接流入する河川流量が年間20.5パーセント減少していた(Fig.1).また,加古川河口地先の海域では,本格運用後には流域での降水量が多い年でも表層塩分の年平均値が大きく低下することがなくなり,本格運用後の表層平塩分の年平均値は有意に増加していた(Fig.2).今後はモデルを用いて,河口域の海域環境への影響を定量的に評価することが重要であると考えられた.